【d!】エルフはロリじゃありません！【shp】

35 ページ38

今日は何もなーい……

暇な日なのである。

治療班の班長という肩書きはあれど、基本いつも治療室に滞在しているだけ。

たまに怪我をした幹部の人たちが訪ねてくるけれど、それも滅多にない。

だからきっと今日も暇なだけ……


『…うぅ、暇』


だから治療室の清潔なベッドに寝転がってごろごろする。

ほんとはベッドに乗ったらダメなんだけどね！

どーせバレないから大丈b


「A！」

『うひぁっ』


急にドアが空いて、立っていたのはトントンさん。

微笑みつつもどこか鬼気迫る表情の彼……怒られるやつだ…


「……ベッド乗ったらあかんってこの前言うてたよなあんさん？自分はええんか？」

『っうう……というかなんの御用で』

「話そらすなや。……まあええか。グルさんに無理やり連れてこられてん」


慌てて話を逸らすと思い出したように話し始めるトントンさん。

総統に無理やり…ってことは、あれだな。


『……トントンさん何徹目ですか？』

「……」


わたしが問い詰めると諦めたように手を上げるトントンさん。

…立っているのは五本の指。


『……え？5徹目！？！？寝てください！！』


慌ててベッドから飛び降り、入れ替わりでトントンさんを引きずり込む。

何してんだこの人はもう……！


「すまん…」

『謝らないでいいですから早く寝てくださいっ』

「……Aが隣に来てくれたら寝るー…」


っ何馬鹿なことを言ってるんだこの人は。いやこの豚は！

わたしには仕事がある……と言い訳しようとすると、


「どーーせ暇なんねやろ？」


……わたしの表情から察したトントンさんに先回りされてしまった。

弁解を続けようとするも、さっきもごろごろしてたしなあ、というトントンさんの一言で逆らえなくなってしまう。


「さー、隣、どーぞ」


自分の寝ている場所の隣をぽんぽんと叩くトントンさん。

仕方ない……少しだけ添い寝するか。

……と、少し体温の高いトントンさんに寄り添っているとわたしも何だか眠くなってしまって、……


「っは、俺より先に寝てるやん」

「…こんなかわええ寝顔見せられたら眠れんなあ……」

「……おやすみ、A」


……その時トントンさんがわたしの額にキスを落とした様子が、監視カメラに映っていたらしく。

ロボロさんによってわたしたちはサボって添い寝していたことを全員にばらされてしまい。

────1時間後、目を覚ましたわたしとトントンさんは幹部たちにこっぴどく叱られることになった。

36→←宣伝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す