おれ、振られました【月永レオ】 (ページ5)

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おれが小学生の時だった。

母親に呼ばれて家の外に出れば知らない女の人と男の人、間には俺より少し小さい女の子が立っていた。

この3人が家族だと気づくのにそんなに時間はかからなかった。

「先日隣に超してきました、浅桜と言います。どうぞよろしくお願いします。」

大人たちがよろしくとかそーゆー挨拶を交わしてる中で、その女の子はうんともすんとも言わず、ただ親の背中に隠れるだけだった。

「ほらA、ご挨拶しなさい。」

『あさくら、Aです...。よろしく、ね』

人見知りなのかなんなのか、控えめで小さな声だったけど、女の子らしい綺麗な声だったと思う。

「おれ、月永レオ！よろしくな、A！」

ん！と手を出せばまた控えめにそっと手を握り返してくれた。
これがおれとAの出会い。

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『ねえ、レオくん！あたし好きな人出来た！』

「えっ。」

おれが中学2年の春、もう少しで夏が始まる少し前頃だった。
帰り道でAは華が咲いたような笑顔で言った。

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