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「で。王様はこんなにしょげてるんだね〜？」
「そうそう。なんか言ってやってよ、くまくん。」
「まるで恋する乙女ね…」
「鳴上先輩、Leaderは乙女ではありません！」
隣でガックシとうなだれる王様は、どうやら今朝の幼馴染にノックアウトされたらしい。
1日中、「Aがかわいい！あれはやばい！」とか「いや、あれはおれの為じゃないんだ…」とか。
のろけたかと思えば項垂れて、またのろけては項垂れる。一人百面相を見てるみたいでこっちが疲れるんだよねえ。
「どうみたってあれで上目遣いはずるいだろ…かわ、あぁでもなんでほかの男のためなのにおれがノックアウトされるんだよおぉ…」
ほら、また始まった。
「これはあまりにも重症ねぇ…？」
「ねぇねぇセっちゃん。その子、そんなに可愛かったの〜？」
俺にのしかかり相変わらず覇気のない声で聞いてくるくまくんに、一枚の写真を見せると「おぉ…」と声を漏らした。
わかるよ、その気持ち。癪だけど。
「Wow…これはまたvery cuteな方ですね…。」
「あらやだ！とってもかわいいじゃない！これは王様がぞっこんになるのも頷けるわあ！」
昼休み、たまたま普通科校舎との境近くに用があって行ってみれば、示し合わせたかのように例の幼馴染が視界に入ったもんだから一応撮ってみたのがここで役に立つとは思わないよねえ。
ただの盗撮だし。
「ぷくく…。セっちゃん絶対に動揺したでしょ。」
そう言って嫌な顔をするくまくんをどついていれば、「何だか楽しそうだな…。」と疲れ顔で王様が近づいてきた。
なので、先ほど見せた写真を王様にも差し出せば
「なんだこれ？！うわああ！セナ、これおれのＬＩＮＥに送って！！！」
「わかったからあんたまでのしかかって来ないでくれる？！」
もとよりそのつもりだったし、と付け加えて王様に送れば「最高！！！」とキャッキャッと喜びだした。
ほんっと、、王様って単純だよねえ？
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作者名：なこ | 作成日時：2023年1月29日 20時
