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「おはよう王様。今日はあの幼馴染はいないわけ？ついにお独り様登校でも始めたのお？」
「お！セナだセナ！うっちゅ〜！」
目の前でオレンジの髪の毛を揺らして、やけにゆっくり歩くそいつに嫌味たっぷりと声を掛けると効いてないように満点の笑顔で俺にそのよくわからない挨拶を返してくる。
ついでに「お前もお独り様だろ！わはは☆」なんて誰に口きいてんだか。
「…あ！やべ！！どうしようセナ！」
「っちょっとお？急に大きな声出さないでくれる？心臓止まりかけたんだけど。」
「おれ、あいつの英和辞典？仮パクしちゃった！」
「なんでわざわざ英和なわけ。」
「やっべ、あいつ今日絶対使うやつ！」とやけに幼馴染のことを把握している王様はなんかちょっと引くよねぇ。
そういえば今日は珍しくお独り様だったし、朝にでも返すつもりだったのだろうかタイミングを逃したことをこの馬鹿は今気づいたのだろう。
「はぁ…仕方ないから俺のHRまでの時間、王様に献上してあげるけどぉ？」
「セナぁ…実は優しいんだな！知ってたけど！大好き！愛してる！！」
「あんたが迷子になったら困るだけだし？！暑苦しい！くっつかないでくれる？！」
ガバ！っと抱き着いてくる王様はいつも通りの通常運転。
さっきまで少し元気がなかったのは気のせいだったのだろうか、おじいちゃんみたいなスピードで歩いてるから驚くでしょうが。
「そうと決まったら行くぞ！未知の世界へ！」
「ただ普通科に行くだけでしょお。はしゃがないでくれる〜。」
レッツゴー！と腕を上げてそそくさと王様は歩いていく。
いやそっち逆だから。
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作者名：なこ | 作成日時：2023年1月29日 20時
