32.Hey,lady? emsha【3】 ページ49
shaside
誰もいない暗い通路を歩きながら、さっきのエミさんの笑顔を思い出す。
あんな顔、俺にはした事ないのに。
それに、数分と経たず女を堕としていた。
すれ違いざまに少しだけ二人の会話が聞こえたけれど、エミさんはとても優しい声で
「貴女は本当に美しいですね。その瞳も、声も、貴女の全てが私を惹き付けてやまない。貴女ほどの御人が警備をしているなんて勿体ないですよ。さぁ、私と一曲、踊って下さりませんか？」
なんてキザなことを言っていた。
んだよ、俺にはあんな風にべた褒めとかしないくせにさぁ。
心の中で文句を言いながらに機密情報室のPCにUSBを挿して情報を抜き取る。こんな任務楽勝すぎ。
元来た道を引き返すけれど、警備はまだ居ない。
なんやくそ雑魚やん。
ナイフも銃も使い時なかったな。
会場に戻るとエミさんはまだあの女と話をしていた。
腹立つからちょっと悪戯したろ。
「あら、ここに居たのね！もう、貴方ったら悪い人。私がいるのに他の人に目移りかしら？」
そう言って腕を組むと、女は驚いたような表情をした。
「あぁ、いえ、素敵な人が一人寂しそうにしていたものだからつい…。」
エミさんは一瞬動揺したような表情を見せたあと、すぐに演技に戻った。
っち、その辺は流石やな。
「えぇと…ということですみませんね、お嬢さん。貴女と話せて楽しかったですよ。良いパーティーを。」
そう言ってエミさんはひらひらと手を振った。
最後まで律儀な奴め。
そして会場を出て車に乗り込むと、エミさんは苦笑いをしながら
「どうです？成功しました？」
と訊ねてきた。
「当たり前やろ。というかエミさん、どうやってあの男達退かしたん？」
「あぁ、あの女の方に『貴女と二人きりで話がしたい』って言うたら払ってくれはったんです。」
そう言ってくす、と笑うエミさん。
…そんなことも言うてたんか。
「へぇ。随分な口説き方するんやな？……俺には言ってくれへんのに…。」
するとエミさんは、あー…なんて言いながら目を逸らして。
「いやね…あんな事、思ってないから言えるんですよ。思ってたらもっと焦って言われへんようになります……。…ねぇ、マイレディ…？」
そう言ってぎこちなく俺の手を取ると、そっと口付けをした。
「〜〜〜っ、貴方って本当、悪い人ね……！！」
俺のダーリンはつくづく、罪な奴だ。
お知らせと感謝ですその2（御一読下さい。）→←32.Hey,lady? emsha【2】
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るある。 - ラッピングしてお返しするところ、、、尊い‼️ (5月12日 1時) (
レス) @page37 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
るある。 - 最高です(・・)ﾏｶﾞｵ (5月12日 1時) (レス) @page33 id: daaa2cbdca (このIDを非表示/違反報告)
レマ - ありがとうございます 尊いです (2023年4月16日 16時) (レス) @page34 id: a92f5b28bf (このIDを非表示/違反報告)
Labo(プロフ) - 電球ソーダさん» 返信、遅れてしまってすみません！尊いは最大の褒め言葉です…！ありがとうございます…！！ (2022年5月24日 5時) (レス) id: 34b51c2cbe (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ - 尊い (2021年7月3日 3時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Labo | 作成日時：2020年4月21日 10時
