榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ38)

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第36話ページ38

泣き切った彼女は俺にお礼を言う。礼なんていいのに…。寧ろもっと早く頼って欲しかった。

暫く沈黙が続いた、黙ったまま立ち尽くす彼女に声を掛けたら見事にハモった。そして向こうが俺からと言うもんだから本来の目的である祭りに行きませんかと誘った

駅を出ると目の前に広がるのは色んな出店と売り子の声に祭囃子の音。まあ、祭りなんて中学生以来だからか何処か懐かしい雰囲気がある。

目を輝かせ出店やらを見る彼女に声を掛ける。少し意外だったが口には出さなかった

神「何から見ますか?」

『え、えっと…射的とか?』

神「ﾌｯ…『え?』いやぁ…案外子供っぽい所あるんだなと」

『なっ…ダメですか』

頬を膨らませて拗ねる所も意外で新鮮だ。…拗ねて射的屋の方へ歩く彼女の後を着いていく。

拗ねた表情のまま、店主にお金を渡して射的を始める彼女。どうやらぬいぐるみを狙ってるらしいが全く落ちる気配がない。結局全弾当たるが落ちなく店主に残念賞の飴を貰い悔しそうにしてる

神「……１回お願いします」

『えっ』

「おっ!兄ちゃんもやるかい?!彼女の為にやるなんて青春だねぇ～!よーく狙ってね～」

神「あれでいいんですか?」

『へ?あっ、はい…?』

店主の言ってる事はスルーをして彼女に欲しい景品を確認して狙いを定めた。1発でその景品は落ちたの、残りの4発でいくつが景品を狙った。5発中3発は落とした。

店主は驚いた様子だが、ベルを鳴らし俺を褒める。

「兄ちゃんすごいねぇ～!お嬢ちゃん良かったね!いい彼氏じゃないの～」

『…彼氏じゃないんですけど…』

神「…どうぞ」

『あっ、ありがとうございます』

変わらず店主は勘違いをしてる…まあ、商売の為そう言ってるだけかもしれないが…。彼女はまあ否定はしてるが気にしないで彼女へ景品をプレゼントする