榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ34)

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第32話ページ34

ぬいぐるみとかを貰って思い出した。神谷さんへのプレゼントを購入して持ってきていたこと。今渡そうかな…

神「次どうしますか?」

『あー…とりあえず、人通り少ない場所へ行きませんか?渡したいものあるんです』

神「…?はい」

さっきいた場所は混んでいたから人通りの少ない路地を抜けて大学帰りにたまに寄る公園へ来た

『神谷さん、いつもバイト帰り送ってくれたりさっきも痴漢から助けてくれてありがとうございます。これ受け取ってください』

神「そんないいのに…。俺が貰ってもいいんですか?」

『はい、神谷さんへ選んだので。ちなみに私と色違いなんです…』

神「……開けてもいいですか?」

『どうぞ』

神谷さんは丁寧にラッピングを破ると箱を開けた。そう、私が彼に似合うと思ってプレゼントしたのはｰｰｰｰ……

神「腕時計…」

『はい。もしかして、持ってました…?』

神「…いいえ、ありがとうございます。」

『良かったぁ』

腕時計を受け取ってくれた神谷さんは先程まで付けてた腕時計を外し箱へ入れる。代わりに渡した腕時計を付けた。

神「これでお揃いですね」

『っ…』

神「…さて、戻りましょうか。まだ見てないところあるでしょう?」

『は、はいっ…』

胸がキュンとした。…だって、神谷さん私も同じ色違いの腕時計をしてる事に気付いて付けてくれたんだもん。付き合ってないけど、そんなこと言われたら誰だって期待してしまうと思う。

『…神谷さん何か食べたいものありますか?』

神「特には」

『そう、ですか…』

神「あー……ええと、綿菓子でも食べますか?『はいっ』俺買ってきますね、そこで待っててください」

神谷さんに気を使わせてしまったかな?綿菓子屋へ向かう彼の後ろ姿をみた。数分後かわいいプリントがされた綿菓子の袋を持って神谷さんが戻ってきた

神「お待たせしました。どうぞ」

『あ、お金出しますよ。私だけ貰ってばかりですし…綿菓子いくらでしたか?』

神「大丈夫です。それくらい奢らせてください」

『あっはい…。い、いただきます』

袋の中のカラフルな綿菓子を1口大にちぎって口に入れる。すぐ溶けてしまうけどふわっと広がる甘い味に頬が緩むのがわかる。

『美味しい…!神谷さんも食べてください』

神「それは良かった。あぁ、はい…1口もらいます…」

『美味しいですよね』

神「えぇ。綿菓子ってこんなに美味しかったんですね…」