ダメダメ鬼【逆ハ】

リクエスト ページ38

鬼舞辻無惨が夢主に優しく？する話

・



時は江戸、戦がたえないこの時代で
相変わらずこの男と私の口争いも絶えることはなかった




『無理ほんと無理馬鹿なの？』





「ほう、誰の頭が馬鹿だと？
私に向かってその言葉を放った貴様のその勇気だけは讃えてやろう」





『こいつなんでいっつも上からなんだよ』





この男、鬼舞辻無惨は私にいつも無理難題を押し付けてくる
例えば 少しは鬼らしく人を食えだとか、人を殺せだとか
物騒な事しか私に要求してこない

まあ逆をいえばそれ以外は何も要求してこない



私もこうやってふざけ半分に反論しているが、鬼舞辻は相当真面目に言っていると思う

きつい、ほんとにきつい




人を殺そうとしても逆に殺されるくらい私は弱いから無理が強いのをこいつは一生わかってくれない

それに、あんたとは違って無闇に人を殺したくない、
なんて言ったら多分即首が飛ぶだろう





「私の言うことは絶対であろう」




『無理』





そう即答すると鬼舞辻は少し私を見つめて黙った
何か面白いものを見るかのように

その直後スっと私に対してあげられる手を見て、私の体はすくんだ
あ、来る。痛いのくる


そう身構えると その手は私の頭を通り過ぎ
服の首根っこを掴み二階の窓の外に私をぶん投げた




『グハッ』



突然来たその衝撃に
あばら辺りの骨がバキッと変な音を立て、その痛みに自分の声じゃないようなキモイ声が出た


え待って？私、投げ捨てられた？え？


上手く回転しない頭は置いといて、鬼舞辻が上からくすくすと笑う声だけは鮮明に聞こえた





「躾とやらも毎回事の内容が同じでは貴様も飽きるだろうて。」





「とは言え、はは、貴様がそんな脆いとは。」





はははと
笑いが堪えきれん感じで私を上から見上げるそいつに対しての嫌悪感が尋常じゃなく増した


その嫌悪感は最早殺意へと変わって
折れた骨の痛みに耐えながら館の向こうの森へと這いつくばった



…アイツ、本当に後悔させてやる。このまま逃げ切って家族の元に帰ってやるからな

覚えとけよこのクソ老害が


そう思って鬼舞辻を見上げると
その顔は勝ち誇った笑みを浮かべており私が到底逃げれるとは思ってないようだった

むしろ這いつくばる私を見てさらに笑っている
死んで？




『ううッ』



その後私は雄叫びを上げながら悔しさを原動力に全力で這いつくばって森へと逃げた

でも正直服が泥だらけになった時点で帰ろうか迷った

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