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ダメ29 ページ32






『……はっ、はぁっ、え、』



目が覚めた
嫌に、長い、長すぎる夢を見てるようだった

体が重い、目が覚めても体が動かせない
なんじゃこりゃ

夢なのか現実なのか未だわからない頭の中はもうとっくに理解の限界値を超えていて

すぐに考えれた事といえば
私は鬼舞辻を殺したいっていうことくらい

笑えるくらいに私の人生はあいつに無茶苦茶にされてたんだ、今更知って、今更憎んでも

どうしようもないのに




『…ぁァ"…ヴッ、グスッ』



涙が止まらない

いつもの事だ。いつもの事だけど 、体が痛いとか 恐ろしいとか怖いとかじゃなくて
心が痛くて泣いた
悲しい 辛い 孤独 、その全部が痛い

お母さんとお父さんと弟はもういない。いや、妹だっけ?
覚えてない、昔のこと過ぎて。あやふやだった記憶は、私が勝手に作ったものだったと分かってしまったから。

家族のことも覚えれてない
私は本当に みじ



___惨めな鬼でも可哀想な鬼でもない、立派な"人"だ



惨めな鬼 と心の中で思う前にいつか炭治郎くんに言われた言葉を思い出した
ふと頭にでてきたその炭治郎くんの暖かい笑顔を思い出して心も暖かくなったが

その暖かさも急激に覚めた




「Aちゃん、随分寝てたね」




『……童磨』



「あれ、もう童磨さんって呼んでくれないのかい?悲しいね」



『くたばれキンタマ野郎』



「えぇ!随分と口悪くなったね。なにか思い出しちゃったのかな」



『……絶対におまえらから逃げてやる。変態クズ』



「はは、俺は変態じゃないよ。けど、君を可哀想だと思うことに興奮を感じる事が変だと言うんだったら、俺は変態かも」



『は?』



そう言うと童磨は急に私の首や顔や腰をつかんだ
気持ち悪かったけど逆らえば何されるかたまったもんじゃないからやめた

こういうビビりな所は多分何があっても変わることは無いんだろうなとかふいに思った




「…君は小さいねえ。俺の手ですっぽり全部が埋まるよ」




そいつの両手は私の顔をしっかりと覆い、頬を固定してからグッと顔を近づけてきた
近い、息がかかる。臭くないのが腹立つ、お前人肉食ってるくせに



「……きっと一口で食べれてしまう」



そう言って私の唇辺りをペロリと舐めた

途端にすさまじい悪寒が私を襲って 先程までなかった反抗心が全身を埋めつくした
精一杯 逃げようと動くもビクリともしない

ただ私の無力さを痛感するだけだった

ダメ30→←哀れな鬼



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m - 初コメント失礼します。鬼舞辻推しとしては素晴らしい作品だなと思いました。そして、夢主ちゃんが泣き虫な点もこの作品の良いところだと思いました。これからも、作者様が明るい気持ちでこの作品に戻って来てくださることを願い、応援しております。 (2023年2月19日 1時) (レス) @page45 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - 不死川さんオチを恵んで・・・ください・・・  バタ(倒れた) (2022年12月29日 15時) (レス) @page45 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - 途中で終わっていて寂しいですてんまた更新されるのを楽しみにしてます (2022年8月6日 21時) (レス) @page45 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - お話が更新されていて、とても嬉しいです! (2021年11月18日 12時) (レス) id: 92e3ef3143 (このIDを非表示/違反報告)
こたちゃん信者(プロフ) - むいくん、小芭内、天元様のオチを見てみたいです! (2021年8月18日 15時) (レス) id: 74c0c321e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜花 | 作成日時:2019年8月10日 20時

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