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哀れな鬼 ページ31

記憶あやふや夢主


私は哀れな鬼だった。


記憶はいつもあやふやで、多分私はなにかしらのきっかけで鬼になり、家に居ようとしたけど勿論家族は私を迎え入れてくれなかった

居場所をなくした私はいつの間にかこの鬼舞辻という男と共に暮らしていた
助けてくれた、のかなとは思っている。一応恩はあった

そして最初は私にやけに優しかったのを少しだけ覚えている
拾ったまるで私を家族のように接した

私はどうしたらいいか分からなかったから受け止めるしかできなかった

だけど対応が変わったのは私が家族の元に帰ろうとした時だった

おかあのところに行きたい

そう言うと鬼舞辻は私を厳しく叱った


その折檻というものは日々続いて、私はもう鬼舞辻を家族だとは当然思えなかった

恐ろしい、怖い、そんな印象しか抱けなかった

最初は痛かった、というかいつでも痛かったけど
声に出して痛いと言って、泣いたのはいつだっただろうか


そうだ、泣いたら折檻をやめてくれるのに気づいたのは大分最近だったかな

痛かったら泣こう、その時にそう学んだ。
私はもう、完全に鬼舞辻に恐怖で支配されていた



月日が経つと鬼舞辻の周りには鬼が増えた

お前が一番だ とはいってくるけど別に何も思えなかった
私は家族の元に帰りたい
でもそれを言っちゃダメだ、きっと痛い思いをする

ここから逃げたい、怖くても逃げたい。

日々を過ごす中で私はそう強く思うようになり


そしてチャンスは訪れた

鬼舞辻が私を置いてどうやら強い剣士と戦っている

今しかないと思って逃げて逃げて逃げて、逃げて


そのまま走り続けていると崖にたどり着いた。落ちたら川だ。

だけどもう引き返すことも出来ない

今帰っても怒り狂った鬼舞辻がいるに違いない。ああ、どうしよう!
そう思っていると、背中を誰かに押されるのがわかった


落ちる


そう思って必死に何かを掴もうとするも
目の前にうつったのは あの、童磨というやつだった

いつも私の心に傷を与えてくる、哀れ、可哀想
もう何回聞いたか分からない


お前はどこまで私を追い詰める気なんだ




「…可哀想な子。君の名前はAというんだよ」



そう言ったのが落下時に聞こえた

その時の顔は今までに見た事がない顔だった
悲しそうな顔をしていた

そんな顔もできるんだ

そう思いながら私はすさまじい水しぶきを立てながら川に飲みこまれていった

ダメ29→←哀れな鬼



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m - 初コメント失礼します。鬼舞辻推しとしては素晴らしい作品だなと思いました。そして、夢主ちゃんが泣き虫な点もこの作品の良いところだと思いました。これからも、作者様が明るい気持ちでこの作品に戻って来てくださることを願い、応援しております。 (2023年2月19日 1時) (レス) @page45 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - 不死川さんオチを恵んで・・・ください・・・  バタ(倒れた) (2022年12月29日 15時) (レス) @page45 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - 途中で終わっていて寂しいですてんまた更新されるのを楽しみにしてます (2022年8月6日 21時) (レス) @page45 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - お話が更新されていて、とても嬉しいです! (2021年11月18日 12時) (レス) id: 92e3ef3143 (このIDを非表示/違反報告)
こたちゃん信者(プロフ) - むいくん、小芭内、天元様のオチを見てみたいです! (2021年8月18日 15時) (レス) id: 74c0c321e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜花 | 作成日時:2019年8月10日 20時

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