ダメダメ鬼【逆ハ】

ダメ19 ページ19

…





『ぎゃぁぁぁ！！！死ぬ！！殺される！！』




「黙れェ！！！大人しく死ねェ！！！」




『ひぎゃぁぉぁぁぁだれかァァァ！！！』





朝っぱらから誰と命懸けの鬼ごっこをしているのかというと
いつも私に喧嘩を売っていたあいつだ

めっちゃ目つき悪いやつ

え、その人相悪そうな顔で柱なれんの？むしろお前が狩られる側では？
とでも言いたくなる顔つきしてやがる

しかも私を本気で殺しにかかってると見た
いやでも日向を走らせようとしてない所別に本気ではないのか？

ある程度私をボコろうと思っているのか！？！？

許せん！！！私がいつも泣いてばっかりの無能鬼だと思うなよ！！！見てろよ！！！








.









『ごめん"なざい"』




「チョロすぎなんだよォ！！！てめェは！！」




『うわあああああ"あ"ん』




「ああ！！！泣くなうっせェ！！殺すぞ！」



『……』



「なんか言えや！！！！」



『理不尽だァ！！！』





ある程度ボコボコにされた後私はお縄に括られていた

勿論痛すぎて泣いた。泣き喚いたせいで うるさいとまた殴られた

まじ正義の味方とは思えんやつだなお前


まあそもそも柱から逃げれるはずないしな私が
なんか異様に足速いし。人にしては足早すぎだわ何なの？




『ねーーくくったはいいけどどうなんの私ーー』



「あ？黙ってろ」



『えぇー…』



「…」





謎の沈黙が続いてきまづい雰囲気だったけど

その間に 私は
この目つきの悪い人がぼーっとしてる間にどう逃げようかと考えていた

まあぼーっとしていると言うよりかは なんていうの？私と目が合わない的な
まあ私と目を合わせたくないだけか

とまあこんな事思いながら逃げるためにゆっくり縁側の端っこを
手が使えないのでお尻で進んでいると

ガクッと体落ちる感覚がした

あれ？と思った。てか、体熱い、痛いんだけど
あ、そっか。ここ縁側じゃん

落ちたら、


日向だ。





『うァ"ｯつ』




「ｯ、おい馬鹿てめｯ、」




『ｯ、ぁ"』




痛い痛い痛い痛い
他に何も考えられないくらい痛い

陽の光に当たったんだ、そりゃ痛い

けど体が浮き上がって誰かの腕の中にいる感覚は分かる
多分それは目つきの悪い人が助けてくれたからだ

だいぶ焦った顔してた。私のこと殺そうとしてたくせに、
でも助かった、私死にたくないからさ、


ありが、とう


その言葉が出るまもなく私は情けないことに痛さで意識を失った。

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