ダメ7 ページ7
「…君は鬼のくせに直ぐに泣く。哀れな鬼だな!」
『もうどうとでも言ってください…』
「ははは!」
『ちょ!血べっちょり着いたまま笑わないで散る!』
頭のおかしいその人は近づいてきて、怖さで座り込んでいる私をのぞき込んでいる
なので喋って笑う度付着した血がポタポタと落ちてくる
まだ乾いていないからつい最近の血だろうきっと
…私も殺されるかな
と、そう思っちゃって泣いた。また泣いた
私怖かったらすぐ泣くんだよね
強い人らは怪我しても何されても泣かないイメージあるけど、それって本当凄いと思うわ
そういう人らを見れば見るほど私がどれだけヘナチョコかわかるから辛い
「……、その泣き顔、悪くないな」
「加虐心、というのだろうか。なんだかお前は………いや、何も言うまい」
『グァッ、痛…』
ァ!!!痛い!!!そう思った刹那に首になにか冷たいものが当たるのがわかった
バタバタと暴れるも何一つ動かせない。ていうか抑えられる腕と体が痛い
力強すぎてなにも敵わない
『…死にたくないです』
「そう言う割には、やけに抵抗が無いな」
『抵抗しても意味無いでしょ、』
「諦めたのか?生きることを」
『…いや、』
そう言うとこの人は首に付けていた刃を腰に収め
抑えていた手をどかした
え?なんで?と疑問を抱いたがそれを問う前にその人は勝手に喋り出した
「…君は本当に生きたいのか?」
『えっ生きたい…です』
「では何故ここから逃げようとしない」
『なんでって…そりゃあ、逃げたら殺されるから…』
「分からんだろう。生きてかえれるかもしれない」
『いや…』
「ここにいたら確実に死ぬことがわかって何故生きようとする」
『そ、れは』
「君は確かに人間らしい。だがあくまでも鬼だ」
「生にしがみつくことで人間らしさを忘れたくないのだろう?」
「…………君は、果たして人になりたいのか」
『…そう、言われても、分からない』
「…、そうか!ならいい」
「君は、人につけ込むのが上手いな。その図々しさが人を惑わせる」
『しょ、初対面で失礼な…』
「はは!失敬!」
『ちょ、だから血散る』
全然気にしてない素振りで笑うけど実は結構傷ついてんだよ、その一言
まあそんなこと口には出せないので微妙な顔でヘラヘラ笑うと
俺は君が気に入った
そう言って誰かと同じように私の頭を撫でた
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m - 初コメント失礼します。鬼舞辻推しとしては素晴らしい作品だなと思いました。そして、夢主ちゃんが泣き虫な点もこの作品の良いところだと思いました。これからも、作者様が明るい気持ちでこの作品に戻って来てくださることを願い、応援しております。 (2023年2月19日 1時) (レス) @page45 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - 不死川さんオチを恵んで・・・ください・・・ バタ(倒れた) (2022年12月29日 15時) (レス) @page45 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - 途中で終わっていて寂しいですてんまた更新されるのを楽しみにしてます (2022年8月6日 21時) (レス) @page45 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - お話が更新されていて、とても嬉しいです! (2021年11月18日 12時) (レス) id: 92e3ef3143 (このIDを非表示/違反報告)
こたちゃん信者(プロフ) - むいくん、小芭内、天元様のオチを見てみたいです! (2021年8月18日 15時) (レス) id: 74c0c321e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2019年8月10日 20時