ダメダメ鬼【逆ハ】

ダメ18 ページ18

…





『…ごめん。立派な大人がこんなギャン泣きして』




「大丈夫です。Aさんは頑張ってきたんですね」




うわーあったかい。感じたことない
優しい、ふんわりする

そうなんだよ、私頑張ったんだよ
鬼でも人でもないから ずっとずっとすごく寂しかったんだよ

可哀想だと自らに言い聞かせないと 自分の状況に耐えられなかったから




『炭治郎くんは、なんでこんなに温かいんだろう』



「うーん、長男だからですかね？」



『そこ関係あるんだ』



「長男はしっかりしてないとダメなんです！」



『はは、確かにね』




少しの沈黙が続いた

長男とは言っても子供。家族を殺されて悲しみにくれる間もなく

普通の子じゃ耐えられないような修行や、努力を沢山してきて

命懸けで鬼とたたかって、殺して、斬って。

自分が長男だからと、しっかりしなきゃと言い聞かせて

だからきっと、この子も あの言葉を望んでいるはずだと思わずにはいられなかった





『沢山頑張ったんだね、炭治郎くんも』





そういっちょ前に偉そうに言って
ちょっと恥ずかしながらも頭を撫でた


きっといつもならこの子は撫でる側なんだろう

人に、大丈夫だよと言い聞かせながら頭を撫でてやるんだろうね

けど君もまだ子供なんだよ 炭治郎くん





『甘えていいんだよ』





そう言うと炭治郎くんもギャン泣きした。
心配そうに寄ってくる禰豆子ちゃんと一緒に抱きしめてやった

ついでに私もウルッときた


甘えていいんだよ、とか偉そうだなぁ私
まあでも一応私の方が歳上だし

頼ってね とか言えるほど心強い存在にはなれないけど

少し甘えられるくらいなら全然受け止めてあげられるからさ

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