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百二十九話 ページ30

夜の街を駆けた。


俺は弟だ!!兄貴の!たった1人の弟なんだよ!!

その言葉が頭に過ぎった。
玄弥と実弥の顔と共に。

兄弟なんだ。唯一の。大切だよね




突如、禍々しいほど濃い鬼の香りがした。
炭治郎君ほど鼻が利く訳ではないけど、隊士なら誰でも気がつく程の香り。

足をとめて振り返ると、大きな舘がそびえ立つ。
西洋風の造りのそこは怪しい雰囲気を漂わせている。

『間違いない、ここだ』

様子を伺いながら窓を覗けば、誰もいない。
時間がもったいない、強行突破といこう。

日輪刀を抜き、扉を蹴破って中に侵入した。

『だれもいない…?』

微かに感じる人の生気。…どこから?

感覚を研ぎ澄ませる。感じろ、感じ取れ。


『っ!』


気配は地下から。
うまく隠れている。

鬼の拠点だ。どうなったっていい。壊してしまえ

『獅子の呼吸__弐の型___駆牙獅子』

思い切り床板を突き破ると、地下の部屋へ繋がった。
やっぱり、地下に空間が!

鬼「うるさいわね。アンタ。鬼狩り?」

背後には、大きな寝台に寝そべる鬼の女。西洋のドレスを美に纏い、華やかな雰囲気を醸し出している。

そばの床には若い男の人が縛られていた。
留吉さんによく似た人。彼がお兄さんだ!生きてる!

『こんばんは、あなたが姉様って人?』

鬼「そう、羽奶(ウネ)と呼んで?…私のかわいい弟になにしたの?」

『大丈夫、時期にあなたも弟の所に行けるから』

羽奶「クソ女、殺してやる!!」

『どっちがクソ女だろうね…!』

羽奶が寝台を引っ掻くと、羽が舞い上がった。
その羽が素早くこちらへ飛んでくる。血鬼術だ。

『っはやい』

羽1枚1枚を弾いていたらキリがない。
吹き飛ばせれば早いのだけど…。

…吹き飛ばす、…風…風!

実弥の使う風の呼吸を思い出して。
確か、大胆かつ繊細に、素早く刀を…!

『…出来た!!』

実弥の型を思い出して刀を降ると、周囲の羽は勢いをなくし、地面へ落ちていった。

羽奶「ふぅん、防いだんだ」

『同僚のおかげでね』

羽奶「でも、私に触れられなければ殺せないわよ?」

その挑発的な笑みにゾクリと背筋が震えた。


羽奶「血鬼術、赤鳥!」


落ちた羽は一塊に鳥の形を模した。

『獅子の呼吸___玖の型』

“禅狩千撃”


真っ二つにそれを切り裂いた途端、羽は分裂し私周辺を囲んだ。

その刹那、羽は身体に突き刺さった。


『ぅああッ!』

視覚を奪われることを避けようと顔を咄嗟に覆ったが、羽が深く突き刺さり激痛が走る

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パチ麻呂(プロフ) - snowさん» コメントありがとうございます。最後の部分は個人的にこだわっていたシーンなので嬉しいです!続編の方も楽しんで頂けたら嬉しいです! (2020年11月8日 16時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
snow - パチ麻呂様!とりあえずお疲れ様でございました!もうすごく感動的というか、画面の前で号泣してしまいました。ありがとうございました。高評価して、続編に飛んでいきます!これからも応援してます! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - お返事ありがとうございます!性癖っていうんですかw続編も見させて頂いてます!これからもよろしくお願いします(*'ω') (2020年6月22日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - みーささん» うわわ(;_;) すっごく嬉しいです、、!こういうオチが性癖なので受け入れていただけるのは本当にありがたいです(( 続編でも当作品よろしくお願い致します! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - コメント失礼します。どストライクな作品でもう号泣しました(TT)ありがとうございました!! (2020年6月15日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パチ麻呂 | 作者ホームページ:ないです〜  
作成日時:2020年5月4日 0時

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