八躍 去年の秋の話 1 ページ8
去年の秋、170cmズ(沖田、神威、高杉、信女)はショッピングモールに来ていた。
どうやらもうすぐ神威の妹・神楽の誕生日らしく近々家でパーティがあるらしい。
神威は「退屈だったら来てネ」と言い誘ったのだが、信女は絶対行くと言い張り、沖田は「チャイナのケーキにタバスコでも仕込んでやらァ」とどす黒い笑みをたたえ、高杉は……半ば強制である。
「それにしても神楽のプレゼント、どっちがいいと思う?」
信女は三人に向かって左右にぶら下げた二つの洋服を見せた。
右は胸元に女の子っぽいハートの刺繍が入った桃色のフリルワンピースに所々ラメが入ったふんわりとした印象の白いモコモコ上着を羽織る形で、それはよりキュートさを醸し出した。
左はスポーティな腹チラの黄色のレギンスに動きやすいデニム柄のショートパンツ。腰元にはドクロウサギのワッペン付きベルトが巻いてあり、カッコイイ着流しになっていた。
…正直わかんねェ。
それが男三人の唯一言える事だった。
「大体でいいの、自分の好みでもいいし。私はどっちも神楽に似合うと思うの」
「うん、それは同感」
すかさず神威は同意し、何故か笑顔がドヤ顔に見える。
その顔には「なんでも似合う神楽は俺の妹だから」という事を物語っていた。つか、そう見えた。
こっちはだから何?となるのだが。
「晋助はどう思う?」
「知らねェよ。…でも強いて言うなら動きやすい方がいいんじゃねェか」
「何で?腹チラがあるから?」
「違ェよ、バカ。勘違い産むような事言うのやめろ今井」
「………だったら絶対ワンピースの方がいいに決まってらァ」
「…総悟?」
信女は沖田の意外な言葉に一瞬耳を疑った。しかも…
「コレ、俺が払っとくからお前ェらはなんか飲みモンでも買ってこい」
こんな事まで言ってのけたのだ。神威は笑顔を引きつらせ、あの高杉も目を見張った。もちろん信女も驚きを隠せないが彼女はその行動に賛同した方がいいと五感が言っているような気がした。
「…分かったわ。神威、晋助行こ」
「え、信女いいの?プレゼントしたいんじゃなかったの?」
「…確かにそうだけど。でも、なんか…総悟があげたいって言うんならいいんじゃないかしら」
「…ふーん」
神威は信女のどこか紛らわす言い方に特に追求する事はなかった。
…飲み物を買って戻る頃にはすっかり日は傾いていた。
もう会計は済んでいるだろうと思い、三人は沖田を探した。
すると、何やら誰かともめている沖田の姿があった。
九躍 去年の秋の話 2→←七躍 沖田総悟の逆鱗に触れんようご用心
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます!『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです!!これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです!沖田と神楽の所が特に面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:交差点プリン | 作成日時:2017年3月31日 18時