二十六躍 厨二病同士の会話はツッコミ諦めろって ページ25
声の主はベッドで少し上半身だけ起こした高杉であった。そんな彼に信女は無表情で声をかける。
「体の調子は大丈夫ですか」
「……何で棒読みなんだ。お前ェ元々無表情のくせに声まで感情失くしたらもっと酷くなるぞ」
「酷くて結構。別にそこまで心配してない」
普通の人なら心にグサッとくるか、信女ファンなら聞いただけでマゾ化するかだが、高杉は慣れっこなのか特に反応する事なく「あーそうかよ」と適当に受け流す。
その行動は幼馴染という関係である彼らだからできるものだった。
「…だって貴方、神楽のこんなもので落ちるようなタマじゃないでしょ」
「え、こんなものって何?信女、酷くナイ??」
「ああ、こんなもので落ちちまったら色々終わりだからなァ」
「色々って何だヨ‼お前も信女とおんなじになって私をイジろうとするのやめてヨ!!」
「「あれ、耳に垢がたまって…」」
「テメェらふざけてんじゃねェゾ…」
神楽のツッコミも無視を決めた二人は耳を穿る格好をするが、実際は思いっきり耳を塞いでいた。
神楽はのちに「…今なら新八の気持ちが少し分かるネ」と影で呟いたのだった。
「……でも晋助。起きてたならさっきの話、聞いてたの?」
「…俺のせいで来島が学校休んだって話だろ」
「うわ、コイツさっきの話どころか全部知ってるアル。なんかキモいネ」
「うるせェよ。聞いちまったんだから仕方ねェだろ」
「えっ、聞いたって誰にヨ?」
神楽の質問に高杉は答えず、代わりに二人の後ろを指差した。彼の指を辿るようにゆっくり彼女たちは振り返る。
そこにはココの主人、保健室兼任の月詠が腕を組み扉に背を預ける姿があった。
「やっと起きたか高杉。こやつらにちゃんと礼を言ったか?」
「ツッキー!!」
神楽は驚きながらも月詠に会えた為、嬉しそうに彼女の元へ駆けて行った。
「先生、礼を言うも何も元々そいつが俺に暴力という名のアウェイキング・ブラッドをかましてきたんだぜ」
「……」
高杉の笑みを含んだ言葉に信女はもう諦めた気持ちでいっぱいな目で彼とそれに対して言い返す神楽を見た。
ーーーー諦めろってこういう事なのね…
「暴力じゃないネ!アウェイキング・ブラッドという名のアウェイキング・ブラッドアル!!」
「そのままじゃろうが」
月詠の方も呆れた様子で肩を竦めると作業机に腰を下ろした。
「まあ、それより主ら気になるじゃろ?何故わっちがまた子の事を全部知ってたかを」
そして、彼女は話し出した。
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます!『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです!!これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです!沖田と神楽の所が特に面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:交差点プリン | 作成日時:2017年3月31日 18時