十四躍 後悔したらすぐ覆すのが大事 ページ14
神楽は広い廊下をひたすら掛け抜ける。
息が上がり髪が乱れても気にすることなくただただ走った。
ーーあのドＳ野郎の元へ
＊＊＊＊
誰もいない保健室のベッドで沖田は何度も寝返り中々寝付けずにいた。
脳裏に浮かぶのは先程の神楽の切なそうな顔。
どうしてもあの顔が頭から離れなかった。
「…クソッ。…あんな顔、させたかった訳じゃねェのに」
沖田は先程の出来事を思い返し、ますます顔を歪めた。
『もう過去になってしまった事は悔やんでも仕方がない』…そう思ってるのに。
ーー俺は、何でいつも後悔する事しかやらかさねェんだ。
沖田はぐっと無理矢理瞼を閉じると深い眠りに身を委ねていった。
…どれくらい眠っていただろう。そっと彼は目を覚ました。まだ薄っすらとする視界の中で何かが動いた気がして、バッと勢いよく上半身を起こす。
だが、周りにかかっているカーテン、何度も寝返って皴になったシーツ、そして横に座る神楽。
何も変わらない風景だった。……だった！？
「…やっとお目覚めかヨ、ドＳ野郎」
まだ混乱してる中、横から聞き慣れた好敵手の声が聞こえ思わず沖田は大きな声を出してしまった。
「うおっ！？」
「うわっ！ビックリさせんなヨ！」
「いやこっちがビックリだわ！何でお前ェがこんな所にいんだよ！しかも俺らケンカして…」
「ごめんアル」
突然の謝罪に言葉を遮られ、沖田は眉を寄せる。「今俺が喋ってるだろーが！」とツッコむ気にもなれず、黙って彼女の次の言葉を待つ。
「…ケンカじゃないネ。さっきのは明らかに私がお前を怒らせただけアル。だから…、お前は悪くないネ」
神楽の言葉を聞き終えた沖田は眉を寄せていたのをさらに深くした。
神楽の言葉に一つ間違えがあったからだ。
「何言ってんだテメェ。テメェだけが悪い訳ねェだろィ」
「…え？」
「俺ァあん時ヤニ臭ェニコチン野郎のせいで不機嫌だっただけでィ。それをまあ、お前ェが刺激した事で感情的になったが…。俺も悪かったんだ」
一呼吸おいてから沖田は再び口を開く。
「…本当はお前ェにあたるつもりなかったんだ。俺が勝手にイライラしてて勝手に怒っただけなんだ。…お前ェにあんな態度とった事、今もずっと後悔してた」
「サド…」
「…俺の方こそ、ごめんな」
謝罪された事に今度は神楽が驚く番だった。まさか沖田の方も自分と同じ事考えて、謝ろうとしていたなんて。
ほんのわずかであったが、二人の気持ちが少し縮まった瞬間だった。
十五躍 どんだけ寒くても話は前見て聞け→←十三躍 去年の秋の話 ５＆神楽の決心
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (
レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます！『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです！！これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです！沖田と神楽の所が特に面白いです！これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：交差点プリン | 作成日時：2017年3月31日 18時
