第五十七話 暗殺者として ページ10
コツコツコツ、歩く度にヒールが音を立て廊下に音が高く響く。
森の後を付いて歩きながら淳は訊いた。
『首領は此の会社の事を如何お考えですか？』
淳の問いに森は「そうだねぇ」と顎に手を当て考える素振りを見せる。
「とても善い話だったと私は思うよ」
「君は何か気掛かりだったのかい？」
森の言葉に淳は『はい』と答える。
『胡散臭い表情にあの秘書の方・・・
私を大分敵視していました』
「君を」
森は淳を見つめ、やがて小さく笑みを浮かべた。
「そんなに気になるのなら調べてみては如何だい？」
『調べる？』
自身の銀髪に付けている髪飾りがしゃらりと音を鳴らした。
「幸い君はとても優秀だ
自分で考えを巡らせられるし
何より其れを行動に移す事ができる」
森は妖し気に目を細める。
其の様子を淳は空虚な瞳で見つめていた。
『私には勿体無い位のお言葉感謝致します』
「君は何時もお堅いねぇ
昔みたいに"もりさん"って呼んで呉れないのかい？」
にこりと笑みを貼り付ける森を見て淳は『呼びません』と冷たく云った。
『其れより・・・』
淳は森との距離を詰めると森にしか聞こえないよう、小声で話す。
『先刻の秘書の方が後を尾行しているようですが・
・・・・
如何しましょう？』
ちらりと後ろを見れば確かに先程の秘書の男がいた。
「私たちに危害を加える心算は無いみたいだし別に
何もしなくても良いんじゃないかな？」
『そうですか』
多少気にはなるが森が気にしなくて良いと云ったのだから淳はその言葉に従う迄だ。
「早く帰ってエリスちゃんに新しい服を着てもらわ
ないとね」
鼻歌を歌いながらご機嫌そうに云う森に淳は言葉を掛けるわけでも無く只々無言で後ろの気配を気にしていた。
.
.
.
漆黒の闇夜に浮かび上がる紅。
小刀から滴るそれを淳は感情の無い瞳で見つめていた。
昼間の秘書としての仕事を終えた後、淳はポートマフィアの暗殺者として街中を暗躍している。
これ迄に殺/めた人間の数は露知れず、もう何人の命を奪ったのか覚えていない。
暗殺者として最初に殺/したのは自分を誘拐し売買した醜い男たちだった。
我先にと味方を囮に逃げようとする男たちの姿はそれはそれは滑稽で淳はそんな男たちを嘲笑い、遠慮無く小刀を突き刺したのだ。
.*･ﾟ .ﾟ･*.
６／１９ 太宰さん誕生日おめでとうございます。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - 無断転載禁止さん» いえいえ、大丈夫ですよ。 (2018年5月11日 21時) (
レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
無断転載禁止 - 私の勘違いでご迷惑をお掛けしましたすいません (2018年5月1日 7時) (レス) id: ad49824d41 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - 無断転載禁止さん» アイビスペイントにて描きましたので一応証拠として写真を一時的にあげておきますね。 (2018年4月22日 10時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - 無断転載禁止さん» 本垢なら「とっちー」という名前のはずですが・・・。 (2018年4月22日 9時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - 無断転載禁止さん» それは私です。本垢か文スト垢かどちらのイラストを見たのかは分かりませんが「雨雫」という名前ですよね？ (2018年4月22日 9時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨雫 | 作成日時：2017年4月11日 15時
