第三十七話 何者かの気配 ページ38
淳と太宰は例の部屋へと足早に向かう。
二人分の足音にもう一つ＿＿＿微かに足音が聴こえた。
部屋に着くと淳はカードキーを差し込み暗証番号を押す。
ゴウンと云う機械音と共に開く扉、淳は辺りを一瞥し乍ら部屋に足を踏み入れる。
部屋の扉が閉まるなり太宰は言葉を発した。
「事情を話してもらおうか」
太宰は繋がれたままの手に力を込める。
淳ははぁ、と溜息を付き手を振りほどいた。
幸い此の部屋は防音加工が施されている為、二人の会話は部屋の外には洩れない。
＿＿＿取り付けられていた盗聴器は既に淳の手によって破壊済みだ。
『気付いているんでしょう？』
淳はほくそ笑む。
「まあね」太宰はふふと笑いそう云った。
「私が気付けない訳ないだろう？」
『真逆』
淳はふ、と笑い声を洩らした。
近くに立て掛けて有った
太宰は近くの机に浅く腰掛け、ぶらぶらと足を揺らした。
『元
気付かないなんて
有り得ない事ですから』
にこりと向日葵のような笑みを浮かべ淳は云う。
薄く開いた彼女の瞳からハイライトが消える。
夕陽色の綺麗な瞳が一転、くすんだ血のような暗い色に変化した。
太宰は何が可笑しいのか、口角を上げ「うふふ」と笑い声を洩らした。
「何を云い出すかと思えば・・・
君だって人の事は云えないだろう？」
部屋の無機質な電灯が二人を照らす。
ジジジと音を立て、其れは微かに点滅した。
『まぁそうですね
あれは恥ずべき過去ですから』
『本当は記憶から抹消したい位ですよ』淳は思い出すように遠い目をして云った。
ぼんやり、只ぼんやりと。
ふと視線を戻し左手の薬指に触れる。
其の素振りを太宰は見つめ乍ら「此の話は亦今度」と、何時の間に
中からぐずぐずに成った配線と基盤が覗いている。
「此れは見覚えの有る盗聴器だねぇ」
太宰は笑みを浮かべそう云った。
淳は少し考える素振りを見せ乍らも『恐らく』と言葉を紡いだ。
『恐らくポートマフィアの傘下だった小企業の物
でしょう・・・』
昔 厭と云う程見て使った其れに淳は微かに顔を顰めた。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (
レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ｳｫｫｫ！続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい！ (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨雫 | 作成日時：2017年2月24日 23時
