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第三十五話 別れ ページ36

「礼なんて要らない

俺もたまたま暇だったから」


青年が頸を振ると彼の赤髪も其れに合わせてふわりと揺れる。

城戸は肝心な事に気が付き、言葉を発する。


「そう云えば・・・

君は『夏目』と云う名に聞き覚えはないかね?」


『夏目』


其の言葉に青年が目を見開く。


「・・・・・『夏目』」


青年はそう呟いた。



一瞬、脳裏に懐かしい光景が浮かんだ気がしたのだ。


あれは、何時だっただろうか____?



彼は頸を横に振る。


「済まない・・・聞いた覚えは或るのだが全く思い
出せない」


其れもそうだ。

彼が此の名の主を思い出すのは今から約半年後の事なのだから。


「そうか」


マスターがお金を回収したのを見届け、城戸はそう云い青年に背を向けた。


「・・・そうだ」


青年が後ろから声を掛ける。

城戸は青年の方に振り向いた。


「あんた 名前は?」


何故だか、青年の声が辺りに響いて聞こえた気がした。

城戸は無意識の内に口を開く。


「私は城戸だ

城戸正宗と云う」


「君は?」城戸は彼にそう尋ねた。

此の名は今でも忘れる事は無い。


其の赤髪が、其の優しげな瞳が、其の表情が、城戸の胸には強く印象に残った。


「俺の名は織田____」



"織田 作之助だ_____"




.



.



.



"()の赤髪の青年は、一体如何しているのだろうか?"


其の考えがとても残酷な物なのだと城戸は知らない。

知れる筈が無いのだ。



其の半年後(・・・・)

三門市で後に第一次侵攻と呼ばれる大規模な侵攻が起きた丁度其の頃____。


彼は或る組織の長と撃ち合い死/んで(・・・・)いるのだから_____。



そして城戸は未だ気付いていない。


探偵社から調査にきている淳の薬指で輝く紅玉(ルビー)の指輪の存在に____。






彼が其れに気付く迄、そう時間は掛からないのだ____。

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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時

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