第十五話 助言 ページ16
「
出水は紙パックのジュースのストローに口を付けると訊いた。
『はい
太刀川様 其のレポートを見せてください』
淳は愛用の万年筆を取り出しそう云った。
「え あぁ」
曖昧な返事をして太刀川は印刷したレポートの束を渡す。
未完成の下書きのまま印刷された其れを彼女は舐めるように見る。
『・・・・・』
愛用の万年筆をすらすらと紙の上に滑らせ、彼女は少し考えるような素振りを見せた。
部屋には静寂が訪れる。
彼女の目は鋭く文章を見ていた。
.
.
.
時間にして僅か五分。
彼女がことりと万年筆を置く音だけが響いた。
『___終わりました』
ふーと息を吐きながら彼女はぱきぱきと関節を鳴らした。
にこりと笑みを浮かべ『太刀川様』と言葉を掛ける。
微妙に目が据わっている気がして、太刀川はぶるりと震えた。
『此処の部分』淳はペラリと捲った
『此れ・・・明らかに転写していますよね?』
冷たく抑揚の無い声が響き再び部屋に静寂が訪れた。
『此の部分だけ他の文章と書き方が違います
私でも判るのですからきっと大學の教授は騙せな
いでしょう』
『でも・・・』先程迄とは裏腹に、淳はにこりと笑みを浮かべた。
『着眼点はとても素晴らしいですね
先程の文章を直せば取り敢えず大丈夫です
後は____』
淳は何
『此の方式を使うなら この図では無く
ふわりと花が綻ぶように笑みを浮かべれば「すっげえ!」と太刀川は嬉しそうに叫んだ。
「大學の先生より説明が判り易いしお前頭善いな
何処の學校通ってたんだ?」
未だ興奮の冷めないまま云えば彼女の表情は不自然に固まった。
気の所為だろうか?目が泳いでいる。
「如何かしたんですか?」
唯我が頸を傾げ訊いた。出水や国近も頷く。
彼女は気まずそうに目を泳がせたまま云った。
『・・・私 學校には通った事が無いのです
お恥ずかし
彼女の口から出た衝撃の言葉に太刀川隊の隊室では本日三度目の静寂が訪れる事となった。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時