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24話 ページ25

「それでもいい。






それに、元々キス一つで了解を取るような関係でもなかったでしょ、私たちは。


自分の寂しさを埋めたい時だけ。


どうにもならない虚無を一瞬でもいいから忘れたい時だけ。




いつだって私たちは互いの都合で求めあってた。

今に始まったことじゃないでしょ。


こんなこと。








...こんな最低なこと」



私が言い終わればすぐに、銀時の腕が伸びてくる。

程よく筋肉がついて、ゴツゴツとした手に触れるのも久しぶりのことで。




銀時は私をきつく抱きしめた。





「俺さ、もっと最低なこと言ってもいい?」


「何?」



銀時はどこか遠くを見ていた。


そんな彼に少しだけ白夜叉として名を馳せた頃の彼を重ねてしまう。





「俺ァ、お前の名前も知らねぇぞ」




申し訳なさそうに、それでいてどこか辛そうに。

そっと告げる銀時を見て笑ってしまった。







私への銀時の気持ちが一方通行であるだけでなく、名前を知っているのも私だけだった。




「銀時は名前も知らない女とキスして、名前も知らない女を抱いたんだね」




銀時は先刻と変わらず、申し訳なさそうな顔で苦笑いをした。



どこまで行っても最低な恋に、私も思わず笑ってしまった。


相変わらず、銀時と出会うのは太陽の照らない夜だった。

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- 最高です!胸がどきどきして止まらなかったです!泣きそうになりました。 (2023年1月8日 21時) (レス) @page28 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - kayaさん» そんな風に言ってもらえてとても嬉しいです!至らない点もあったかと思いますが、そう言ったコメントがとても励みになります。ありがとうございます! (2018年8月8日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - なんだか読み終わった後、目頭があつくて、気づいたら涙が出ていました。文章が綺麗な素敵な作品だったと思います。 (2018年8月8日 0時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:けんそう | 作成日時:2018年6月10日 21時

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