13話 ページ14
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Aは、強かった。
Aは、宣言通り、俺を守った。
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「ね、私、銀時に守られるほど弱くないでしょ。
ちゃんと、銀時を守ったよ。」
時折強い風が吹いて、Aの紺色の髪を靡かせた。
Aが持っていた大きすぎる剣は刃こぼれして、もう使い物にならないだろう。
「馬鹿野郎!」
俺はAに向かって叫んだ。
腹部を真っ赤に染めて、横たわるそいつに。
「だからって、お前が死ぬのかよ。」
力なく放られたそいつの手に触れれば、まだ暖かかった。
けれど、幾度となく人を斬ってきた俺には、分かってしまう。
この出血量でAが助からないことを。
俺に向けられた斬撃から俺を守ろうと、自らを盾にしたAが助からないことを。
「クソっ!」
届かない俺の叫びと、Aの吐くか弱い息が混じり合って消えた。
どうしようもないことを、どうにか救ってほしい願う俺はわがままだろうか。
俺が強ければ、こいつが死ぬことはなかったのだろうか。
俺はもう、何から後悔していいのかすら分からなかった
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凛 - とても良かったです! (2022年12月20日 19時) (レス) @page36 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - 岩長漆@三色団子と朧大事さん» ありがとうございます!そういったコメントが一番の励みになります!今後も皆さんにお話を届けられるよう頑張ります! (2018年6月11日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
岩長漆@三色団子と朧大事(プロフ) - 突然失礼いたします、岩長と申します!けんそう様の作品読ませて頂き、とても感動しました!次作の方も頑張ってください!応援しております! (2018年6月10日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年2月10日 20時