episode133＿＿事故 ページ37
✘
ぶつかった相手は、世一だった。
バランスを崩しそうになってた私の両腕を掴んでるのも、また、世一だ。しかもよく見ると上半身は何も着ていない。いつも頭の上に生えてるアホ毛は水を含んでしなっていて、髪の毛からは水滴が零れ落ちてた。
「扉の前が騒がしかったから気になって見に来たんだよ。そしたら扉開くわ、お前が飛び込んでくるわでめっちゃ焦った」
世一は未だに私の両腕を掴んでる。私たちの間には拳一つ分しか隙間が空いてなくて、ほぼ密着状態だ。なんでこんな状況なのに世一は冷静に話していられるんだろう。私はこんなにも驚いて、鳩が豆鉄砲食らった時みたいな顔をしてるのに。
「A？」
「(クソ、クソ！千切のアホッ)」
世一の生肌が視界いっぱいに広がってる。いや、これじゃ変態みたいだ。でも、だって。思考がぐるぐる回ってたら、ハッとして私は視線を落とした。世一もつられるように下を見る。
つまり私たちの視線は、今、世一の下半身に向けられていた。変な意味じゃない、と声を大にして言いたい。
「わああぁ──ッ！！世一、下履け！下！」
「ご、ごごごご、ごめん！！」
下着姿だった。ボクサーパンツ、しかも灰色。ダメだ、目を固く閉じても頭から離れない。二人して顔を赤くして、慌てふためいて、その弾みでようやく私の腕を掴んでた手が離れた。
目を両手で隠すようにして、しゃがみこむ。
上半身のみだったら問題ないけど、さすがにこれは、心臓に悪い。いや、世一の半裸には私も耐性ないからどのみちアウトなんだけど。
「ごめん、もう大丈夫。着替えた」
「お……おう」
視界を覆ってた両手を顔から離すと、寝巻きを着た世一が見えた。ホッと胸をなで下ろして、立ち上がる。まだ頬も熱い。世一の顔も少しだけ赤く染まってた。
「それよりお前、なんでわざわざここに来たんだよ。なにか用でもあったのか？」
「そうだよそう！世一、怪我しただろ」
「え？……あぁ、どうりで滲みると思った」
ケロッとした顔で自分の頬を触る世一に、私は大袈裟に肩を落としてため息を吐いた。「忘れてたの？」と聞けば「あの時は必死だったから」って返ってくる。
必死だったら怪我したことを忘れるもんなんだろうか、という疑問が浮かんだけど、まぁとりあえず手当てが先だ。
(ほら、分かったら とっとと座る)
(はーい。 てかアレ、お前救急箱は？)
(あっ……そういえば、ない!!さっきまで持ってたのに！)
(Aも人のこと言えねーじゃん)
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はもに(プロフ) - かっぱさん» かっぱさん、はじめまして！励みのコメントありがとうございます。一番なんてお言葉頂けて感無量です、、❕これからもご期待に添えられますよう頑張りますᵕ̈* (2023年2月20日 0時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱ - このお話本当に大好きで、一番気にいってます♡これからも応援してますね!! (2023年2月19日 21時) (レス) @page49 id: 3275caf583 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 七子さん» 七子ちゃん、感想投げてくれてありがとう❕ ちょっとドギマギの三角関係ではあるけれど、話の落とし所はちゃんと決めてるので見守ってもらえると嬉しいᵕ̈* いつも応援してくれて励みもらってます！これからもよろしくね❣️ (2023年2月17日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
七子(プロフ) - 潔が好き⁈⁈⁈そんなの…そんなのあんまりよ‼︎二次創作でレオと存分にイチャつかせてやるんだから（現実逃避） (2023年2月15日 21時) (レス) @page35 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 凛香奈さん» 凛香奈さん、初めまして！繰り返し読んでいただけてるという事実に感極まってしまいました🥲ここ最近更新の時間帯が不定期ですが、引き続き頑張っていきたいと思います！応援ありがとうございます🙇♂️とても励みになりました！ (2023年2月13日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年2月7日 18時
