episode122＿＿心 ページ26
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「本当に選手を大切に思うなら把握しろ。その分の情報はちゃんと用意しているはずだ。それなのに何も知りませんでした、初耳でした、なんて言葉はただの言い逃れにすぎない。口約束を律儀に守ったところで所詮はお前の自己満足。なんのメリットにもならない。そんなことで選手を守ったつもりでいるな」
「……すみません」
絵心の言葉が釘を打ち込むように胸に響いた。選手を支えるべきマネージャーが、怪我のことを知らないでどうするんだろう。過去に起きた事でも、把握していなければ いざという時何かあってからじゃ遅い。分かってたつもりでいちゃ、ダメなんだ。
手元のタブレットを起動した。選手のためだと思って詮索してこなかったけど、絵心の言うように それは私の自己満足なのかもしれない。本当に選手のことを思うなら、知るべきだ。
「(ごめん、千切)」
心の中で謝罪して、私は震える指先で画面に触れた。チームZの選手名簿から千切の名前をタップすると経歴が事細かく表示される。下にスクロールしていくと経歴は高校一年生で止まっていた。千切の名前をあまり聞かなくなったのがその年だ。
下にはその理由が書かれてる。
「右膝、前十字靭帯断裂」
画面に触れていた手で 口を覆う。見るのを躊躇ったけど、原因となった動画が貼られていたから再生した。試合映像の中で、駆け上がっていた千切が突然 力が抜けたみたいに崩れ落ちた。右足がありえない角度で曲がって、そのまま倒れた千切は途中退場。担架で運ばれる姿を最後に、動画は終わった。
「これ 本当に治って、るんですよね」
「手術は成功した。あとは記載通りだ」
──なら、今の千切が抱えているのは怪我じゃなくて「心」の問題だ。スポーツ選手にはよく見られる現象で、完治しても、また怪我をしてしまうのが怖くて 無意識に自分でブレーキをかけてしまうというのを聞いたことがある。
「千切……」
知らなかった、そんな大きな悩みを抱えていたなんて。いや、違うか。気づいてたけど私が触れなかったんだ。それが彼のためだと思ったから。顔を上げてモニターに視線を戻す。
千切の拳は 何かに耐えるように静かに震えていた。
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はもに(プロフ) - かっぱさん» かっぱさん、はじめまして！励みのコメントありがとうございます。一番なんてお言葉頂けて感無量です、、❕これからもご期待に添えられますよう頑張りますᵕ̈* (2023年2月20日 0時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱ - このお話本当に大好きで、一番気にいってます♡これからも応援してますね!! (2023年2月19日 21時) (レス) @page49 id: 3275caf583 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 七子さん» 七子ちゃん、感想投げてくれてありがとう❕ ちょっとドギマギの三角関係ではあるけれど、話の落とし所はちゃんと決めてるので見守ってもらえると嬉しいᵕ̈* いつも応援してくれて励みもらってます！これからもよろしくね❣️ (2023年2月17日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
七子(プロフ) - 潔が好き⁈⁈⁈そんなの…そんなのあんまりよ‼︎二次創作でレオと存分にイチャつかせてやるんだから（現実逃避） (2023年2月15日 21時) (レス) @page35 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 凛香奈さん» 凛香奈さん、初めまして！繰り返し読んでいただけてるという事実に感極まってしまいました🥲ここ最近更新の時間帯が不定期ですが、引き続き頑張っていきたいと思います！応援ありがとうございます🙇♂️とても励みになりました！ (2023年2月13日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年2月7日 18時
