中止（1） ページ15
You side
私たちはあまり頻繁に会えない。
よく会えて1週間に1回。
しかもお互いあんまり返信は早くないから、連絡もマメには取らない。
だけど、必ずおはようメールとおやすみメールは送り合うのだ。
今日もアラームをセットして、ベットに入るタイミングで亮平くんへLINEを送る
A：もう寝るね！おやすみ
いつも通りの文面。
だけど、今日は既読が付くなり着信画面に切り替わる
｢どうしたの？｣
緑｢もう寝るの？｣
｢うん｣
緑｢ちょっと電話しない？寝落ちしてもいいから｣
どこか余裕がなさそうな声。
いいよ、と返すとホッとした声でありがとうと呟く
｢分かってるよ｣
緑｢何の話？｣
｢今日電話したい理由｣
何となく予想はできていた。
今日SnowManがライブの中止を発表した。
何よりもファンが大事で大好きな亮平くんには辛い決断だったんだろう。
緑｢…悲しい｣
本当に悲しそうに悔しそうにポツリと言葉を零す。
｢そうだね。リハーサルも頑張ってたもんね｣
緑｢うん。いいもの届けたかったな。みんなに会いたかったな。｣
｢でも、誰も悪くないよ？自分を責めたらダメ｣
緑｢分かってるけど…｣
分かってるけど、自分を責めてしまうところも最高に亮平くんらしい。
｢YouTubeで生配信するんでしょ｣
緑｢うん｣
｢中止になったライブ分、そこでファンを楽しませたらいいんだよ｣
そうだね、なんて口で前向きに言ってもその言葉に元気は宿らない。
よほど悲しいのだろう。
やっと掴み取ったデビュー。念願のツアー。
デビュー後初のコンサート。
コンサートが決まって、大慌てでLINEしてきた日を思い出す。
嬉しくて、早く報告したくて、誤字りまくりだったLINE。そのLINEを見て、頬が緩んだ約2ヶ月前。
｢亮平くんさ、1ヶ月前私に言った事覚えてる？｣
緑｢え、覚えてない｣
｢私がコンサート外れて沈んでた時、コンサートはこれで終わりじゃないって言ったんだよ。またあるんでしょ、コンサート。また絶対してくれるんでしょ｣
そう力強く言うと、Aには助けられてばっかりだなとフワッと笑う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3466人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廉樹(プロフ) - Sayukiさん» 貴重な意見ありがとうございます！続編の方で書かせてもらいます！ (2020年6月14日 10時) (
レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
Sayuki(プロフ) - いつかできたらでいいので裏も入れて欲しいです (2020年6月10日 1時) (レス) id: a707041684 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの - 阿部担ですが、阿部ちゃんが阿部ちゃん過ぎて、そしてとてもお似合いで、こんな彼女ならいてもいいなって思っちゃいました(笑 元気貰ってます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2020年4月17日 18時) (レス) id: 76e9874d53 (このIDを非表示/違反報告)
廉樹(プロフ) - 佐々木さん» 嬉しいです！ぜひお願いします！ (2020年4月15日 11時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - 廉樹さん» 私は今Twitterでおすすめの作品を紹介させていただいています。そこで「阿部と彼女」を紹介してもいいですか？ (2020年4月15日 8時) (レス) id: e312adaa83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：廉樹
| 作成日時：2020年4月8日 11時
