131話 ページ42
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「そりゃどうかな」
炎を構えた。
けど、私は見逃さなかった。
焦凍に迫る、2本のナイフに。
『あっぶない！！』
慌てて指から刀状にした雷でナイフを弾き返す。
「雷風！」
『大丈夫！それより上！！』
上には、刀を突き刺そうと飛び上がったヒーロー殺し。
「お前らも、いい」
「轟くん、Aちゃんを引っ張って！」
デクくんの声と共に私は焦凍に引き寄せられた。
『怪我は？』
「ねえ。助かった」
『そりゃよかった』
壁を足場にして、飛び上がるデクくん。
動けてる……なんでだ？
ヒーロー殺しの襟を掴み、壁に叩きつけながら落ちていく。
「緑谷！」
「なんか、普通に動けるようになった！」
『時間制限……？』
「いやあの子が1番最後にやられたはず……」
ヒーロー殺しはデクくんの背中に肘を入れ、デクくんはバランスを崩して地面に倒れた。
それを風でこちらへ運ぶ。
するとすかさず焦凍の氷結が向けられる。
「血を取り入れて動きを奪う……。
僕だけ先に取れたってことは考えられるのは3パターン。
人数が多くなるほど効果が薄くなるか、摂取量か……血液型によって効果に差異が生じるか」
「血液型……俺はBだ」
「僕はA……」
「血液型……ﾊｧ…正解だ」
デクくんは確かO型。一緒だねって話をした覚えがある。
わかるのは効果持続の時間が1番短いのがO型だってこと。
「わかったところでどうにもなんないけど…」
「さっさと2人担いで撤退してえとこだが、
氷も炎も風も雷も避けられるほどの反応速度だ。
そんな隙見せねえ」
『最善策はここにプロヒーローの応援が現着するまで持ちこたえること、だね』
「轟くんは血が流れてるから危ない。
僕が奴の気を引くから後方支援を！」
「危ねぇ橋だが……そだな」
『なら近戦は任せて。デクくんが気を引き付けてくれるならさっきよりやりやすい……！』
「3人で、守るぞ」
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作者名：オクラ | 作成日時：2019年7月12日 8時
