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123話 ページ34

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『うーん……』



指名が来たヒーロー事務所の一覧と睨めっこする。

いくつか候補を絞ってみたものの、どこも興味があって決められない。




でも、まぁ、ここかなぁ……。




「A」

『うおっ。どうしたの焦凍』

「どこにすんだ」

『ああ、職場体験?』



私がたった今第一希望の欄に書いた事務所は焦凍にとってはある意味地雷となる場所。

見せて良いものか否か。



『………………怒らない?』

「怒らねえよ」

『……ここ』



そう言って見せた紙には「第一希望 エンデヴァーヒーロー事務所」の文字が。






「……」

『うん。ちょっとムッとした顔してるよね?!』

「…………してねえ」

『いやしてる』

「してねえ」

『してる』

「……なんでここなんだ」



キリのないしてる、してない論争を断ち切ったのは焦凍の一言だった。




『君のお父さんと私のお父さん、昔結構交流あったらしくてね。
お父さんと仕事してた人はどんな人だったのかなって、ちょっとでも同じ景色を見てみたいの。

お父さんのことをまだ乗り超えれてないって言ったら嘘になるけど、そうじゃなくて、1人の憧れのヒーローとして、見ておきたいんだ』

「…………そうか」



一言そう言って目を伏せた焦凍。

うん、やっぱいい気はしないよね。ごめん。





「そんな不安そうな顔しなくても怒っちゃいねえよ」


そう言ってピラッと見せた紙には

「第一希望 エンデヴァーヒーロー事務所」の文字が。









『えええええええええ?!?!』

「うるせえ」





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作者名:オクラ | 作成日時:2019年7月12日 8時

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