114話 ページ25
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『送ってくれてありがと、轟くん』
「ああ」
あれから色んなところに回り、日も暮れてきたのでそろそろお別れだ。
ちょっと寂しいとか思ってない。
私のスマホには大量の写真が。
もちろん、轟くんと撮った写真なんだけど。
いやぁ……サングラスかけた轟くん、似合いすぎて逆にシュールだったなぁ…。
『今日はありがと！楽しかった！』
「俺も」
『そりゃよかった！！』
いつもの様にまた明日ー、と手を振るが、轟くんは何か言いたげに立ち止まっている。
ん？どうした轟くん。
「……名前」
『ん？』
「緑谷のこと、デクくんって言ってたな」
『え？……ああ、体育祭で騎馬戦組んだ後にそうなったね』
「上鳴のこと、電気って呼んでんな」
『従兄弟だからね』
「知ってる。瀬呂も呼び捨てだな」
『ああ……小中と一緒だしね』
「…………ああ」
えーっと、もしかしてこれは……呼び捨てで呼んで欲しいのか？轟くん。
え、なんだこれちょっと萌えるぞ轟くん！！
かわええ！！！！！！
『えーっと、轟くんのことも呼び捨てで呼んでいい？』
「ああ」
『うーん、じゃあ………………轟？』
「………………………………………………焦凍」
『ん？』
「焦凍でいい」
瀬呂とか、電気とか、デクくんとか。
呼び捨てだったり、下の名前で呼んでる人は他にもいるけど、轟くんだとなんか緊張するのはどうしてだろ？
『…………焦凍』
「おう」
『なんか緊張すんね！
私のこともAって呼んで！』
「……A、今日はありがとな」
ポンポンと私の頭を優しく撫でてくれるとどろ…………焦凍。
『私の方こそ、ありがと。焦凍』
「ああ。じゃあ、また明日」
『またね』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『(なんか、この辺がキュンッと)』
「(顔あちいな……熱か？)」
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作者名：オクラ | 作成日時：2019年7月12日 8時
