109話 ページ20
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『すご。ほんとに10分前にいるタイプじゃん。
イケメンだ』
「やめろ」
只今の時刻、9時15分。
10分前どころか15分前だよ。轟くん。
「……今日は髪、くるってしてる」
くるって！！くるって！！！！可愛いか！！！
『軽く巻いてみた！……変？』
「いや、可愛い」
『あ、りがと』
は か い り ょ く 。
「いつも制服だから、なんか、私服新鮮だな」
『昨日も見てたじゃん』
「なんか、昨日とは雰囲気ちげぇ」
『そりゃ、デートのためにちょっとおめかししたからね』
「……そうか」
『変？』
「……似合ってる」
今度はふっ、と微笑みつき。
やだ、イケメン。
え、私こんなイケメンの隣歩いてて暗殺されない？大丈夫？？
「とりあえず、駅行くか」
『だね』
そう。お目当ての和食亭″東雲″はちょっと遠くにあるので電車で行かなければならない。
てか近所にあったら今頃常連だわ。
ICOCAにお金をチャージして電車に乗る。
結構人が多い。休日だからかな？
「人多いな」
『だね』
私達は運良くドアの近くを確保できた。
イケメンパワーかな？(違う)
「○○駅ー、○○駅ー」
アナウンスと共にただでさえ満員の電車に大勢の人が乗り合わせてきた。
『うおおお、人の波が凄い』
「雷風、こっちこい」
『え？』
グイッと轟くん側に引き寄せられる。
私はドアに大密着、轟くんは私に大密着する形になってしまった。
いやでもあの時轟くんに腕引かれてなかったら人の波にのまれてはぐれてたわ。
圧倒的感謝。
『轟くんあり＿＿＿＿＿＿＿』
ありがと、と言おうとして顔を上げる。
『(ち、ちっか！！)』
イケメンの胸板がすぐそこに。無理(語彙力)。
「わ、わりぃ」
『だ、大丈夫』
意外とピュアなトップ2。
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作者名：オクラ | 作成日時：2019年7月12日 8時
