102話 ページ13
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水龍の中から飛び出した風の球は氷を抉り、轟くんの方へと向かう。
それを轟くんは左を使って相殺させる。
途端、会場全体を爆風が包んだ。
うぉぉおおおお、待って飛ばされる！！！！
結構な大技を放ちまくっていたせいでキャパを消費していた私は強烈すぎる爆風に場外へと飛んでしまった。
あー、負けた？
煙が晴れていく。
「轟くん、雷風さん。
両者ともに場外！！！引き分け！！」
ミッドナイトの言葉を聴きながら正面を見ると、私と同じように場外へぶっ飛ばされている轟くんが。
『また引き分けかぁ……』
自分が思っていたよりもキャパを消費していたようで体は動きが鈍るどころではなく、もはや動かない。
体、おも………………。
「轟くん、動けそう？」
「はい」
「雷風さんは？」
『無理……』
「両者場外！！
雷風さん行動不能により、轟くん決勝戦進出！！」
なんとか踏ん張って立とうとするが、ふらついて倒れそうになる。
やべ、このままいったら顔面ダイブ＿＿＿＿。
『相変わらずイケメンだ』
「大丈夫か？」
ダイブする前に轟くんが受け止めてくれた。
イケメンだ。
・
「珍しく無理したね」
『ですねー』
あの後、轟くんにおぶられて(2回目だね)リカバリーガールのところに連れてきてもらった。
『ありがと轟くん。決勝戦頑張って』
「おう」
轟くんはリカバリーガールに軽く会釈してから、保健室を出た。
その姿を見送ると、一気に全身の力が抜ける。
あーーー、疲れた。
『リカバリーガール、眠いです』
「さっさと寝な」
『ｳｨｯｽ』
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作者名：オクラ | 作成日時：2019年7月12日 8時
