83話 ページ38
.
「風は母親譲りって言ってたな」
『うん』
サアアッと風が吹き、葉が揺れる。
『よし！頑張らないとね！』
「……おう」
ふと轟くんを見ると、風に揺られ、サラサラと髪がなびいていた。
うおおお……さらっっっさらだなおい。
『イケメンは髪までイケメンか』
「何だ急に」
『いや、髪サラサラだなーって。
触ったら怒る？』
「いや怒らねえけど……っておい」
怒らねえという単語を聞き取った瞬間、指に轟くんの髪を流す。
『やっべ、さらっさらだ、やっべ』
「やめろ」
『あだっ』
軽く、デコピンを食らう。地味に痛いよ轟くん。
『地味に痛い』
「わりぃ」
『許す』
「てか…………お前も変わんねえだろ」
『へ？』
サラリと私の髪に通される、轟くんの指。
スラッとしてて、でもゴツゴツして、骨ばってて。
すごく、男の子の手。
『と、とど……』
「あ………………わりぃ」
顔に熱が集まっていくのを感じる。
なにこれ、なにこれ、なにこれ。
『ねえ、轟くん。やばい』
「？」
『ね、熱あるかも』
「は？」
『めっちゃ顔面熱い。風邪ひいたかな？』
「確かに顔あけえな。でこかせ」
『ん』
「ちょっと熱い、か？
俺の右で冷ますか」
『ありがとう、助かるわ』
「やめとくか、この後」
『いや、体自体は全然元気。
顔周りだけ熱いだけで』
「そうか。無理すんなよ」
『うん！ありがと！！』
鈍感2人。
ツッコミ不在の恐怖。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃっぴー(プロフ) - 初めまして！ちゃっぴーと申します！話の塩梅が上手すぎてハマりました！私もヒロアカが好きでお話を書いているのでオクラさんくらいエンターテインメントしたい！尊敬します！熱中症などに気をつけて更新頑張ってください！ (2019年7月24日 16時) (
レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - ありがとうございます！！文章下手くそでごめんなさい。ご無理がないように気長に待ってます！ (2019年7月12日 11時) (レス) id: 8ce509002f (このIDを非表示/違反報告)
オクラ(プロフ) - りぃさん» ありがとうございます！更新頑張りますのでぜひぜひ、これからもご愛読ください！ (2019年7月12日 10時) (レス) id: b3b71114b6 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - すみません。字を間違ってしまいました。失礼しました。 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 8ce509002f (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - こんばんは！とても面くて、ファンになりました！！楽しみに待ってます！ (2019年7月11日 23時) (レス) id: 8ce509002f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オクラ | 作成日時：2019年7月9日 14時
