十五話 〜ベルside〜 ページ18
「一昨日は、すいませんでした。お金も払わずに、勝手に……」
「……いえ、大丈夫ですから。お金はルナさんが払ってくださいましたし、こうして戻ってきてもらえて、私は嬉しいです」
「ルナ……」
「ベルさん……?」
僕が少し目を伏せると、シルさんはすぐに気づき声をかけてくる。
「ベルさん、少し待っていてください」
そう言ってシルさんはキッチンの方へ消える。
戻ってくるシルさんは、大きなバスケットを抱えていた。
「ダンジョンへ行かれるんですよね? よろしかったら、もらっていただけませんか?」
「えっ?」
「今日は私達のシェフが作った賄い料理なので、味は折り紙つきです。その、私が手をつけたものも少々あるんですけど……」
「いえ、でも、なんで……」
「差し上げたくなったから、では駄目でしょうか?」
そんな風に優しく、照れ臭そうに苦笑いするシルさんは多分、僕を元気付ける……いや、応援してくれてるんだろう。
「……すいません。じゃあ、いただきます」
そう言って見つめ合っていると、
「坊主が来てるって?」
ぬぅと女将さん……ミアさんがカウンターバーの内側にあるドアから出てきた。
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鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だんちょ〜 | 作成日時:2018年1月14日 3時