【文スト】罪の糸

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－－世界は、何を悪とし罪とするのか。

其れが、幼い頃から私は疑問だった。立派な"大人"になる為に親に敷かれたレールを従順な仔犬のように進んで行く。

後戻りは、許されない。そんな、一方通行の道を私はなぜ歩かされなければ行けないのか。疑問だった、ずっと……。

そして、この世界が判定する"悪"と"罪"。其れから、"善"と呼ばれる者たち。

幼い私には、何を基準に"ソレ"らが判定されているのか謎でしかなかった。

私よりも何回りも上の、大人はいつも言い聞かせていた。眠る前の子に、物語を聞かせるような風に。

"悪い子"では無く、"良い子"として育ってね。"立派な大人"になれば、全てが上手くいく。

－－果たして、それは真だろうか？立派な大人になり、望んだモノが手に入ったとしてそれは何の得になろうか？

昔、シェイクスピアはこう云った。

今望んでいるものを手にして、何の得があろうか。
それは夢、瞬間の出来事、泡のように消えてしまう。束の間の喜びでしかない……と。

私は、思った。シェイクスピアの云うように立派な大人になり、望んだものを手にできてもそれは何の得になろうか？

否、成りはしない。それ故に、私は探すのだ…。執筆状態：連載中