プロローグ�� ページ3
私は、その冷たさに初めて自身の"死"を確信した。……そして、遂に私の意識はゆらりと揺らぎ始めたのだ。
私が、耐えられなくなった微睡みの中で最期に聞いたのは遠くの方で鳴る救急車のサイレンの音のみだった……。
それから、私は長い長い時間眠ったのだろうか。まぁ……、死んだのだから当然かと思い未だハッキリとしない意識を放棄していると急にグンッと上へ引っ張られ始めた。
驚く暇もなく、私は無理矢理引っ張られるように上へと行った。……そして、それから数分後私はとある声に意識を取り戻した。
？「奥様、元気な女の子ですよ！！」
遠くで、誰か女性の声が聞こえた気がした。私が、その声音に恐る恐る目を見開く。すると、目の前にドアップの顔があった。
？「あらあら、ふふふ……。貴女が、私の可愛い子ね。貴女の、ママよ？よろしくね」
……一瞬、思考が停止した。ん？ママ？私が、驚いていると目の前の母親？らしき人は私の頭を撫で始める。
すると、私の喉奥から何かが込み上げ始め耐えられずに吐き出す。
貴「ふ、ふぇぇぇぇぇん！！！！」
そう、それは紛れもない私の世界では良く見かける。……赤ちゃんの、泣き声だった。
母？「あらあら！ごめんなさいね？急に、撫でられるのはやっぱり嫌よね？よしよし……」
母は、泣き出した私を困ったように見つめながらヨシヨシと体を撫でて慰めてくれる。……どうやら、私は今赤ちゃんのようだ。
母？「私と"スバル"さんの子は、やっぱり可愛いですね。ふふ、予想より遥かにとっても……」
すると、母の他にも違う気配を悟り母が向いた方向に私も視線を彷徨わせる。すると、近くの椅子に黒髪の男性が座っていた。
ス「嗚呼、そうだね。……頑張ったね、"シュナ"。僕の奥さんは、本当に強いね。この子を、産んでくれてありがとう」
スバルさん……、基私の父であろう方はベッドの側まで近寄り毛布に包まれた私の小さな体をゆっくりと抱き上げた。
ス「ふふ、ポカーンとした顔はシュナそっくりさんだね。まさか、こんなに綺麗な子が産まれてくるなんて思ってもみなかったよ」
スバルさんは、私を腕に抱き体を揺らしながら落ち着かせてくれた。私が、ベッドに視線をやると桃色の髪をしたシュナさんが横たわっていた。
ス「ほぉら、A。もう一度、眠りなさい？君が眠って、起きた時は僕たちの家に居るはずさ。おやすみ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千本桜 | 作成日時：2019年6月14日 0時
