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13話 ワイテルズ国 ページ7

「なん、て……」


バルコニーにて、私の前で跪くNakamu様。私も貴族脳なもので、次期国王の方と婚約することがどれだけいい事なのかすぐに分かる。

いや、貴族脳じゃなくても分かる。



「…貴方を、守りたいと思った」


まだ少し頭の中が混乱している。反応のない私に気づいたのかNakamu様が気まずそうに見てくる。


「…すみません、急に、こんな……」

「いえ、こちらこそごめんなさい…」



私とて鈍感じゃ無い。これは政略的に婚約を提案されている訳じゃない。

明らかな、Nakamu様の私に対する特別な好意。出会って間もないのに…


「…今日、初めてお会いしたのですよ……?」

「分かってます…これは俺の完全なる一目惚れです…ただの一目惚れなら諦めます…でも、貴方が素敵な人だとこの短時間で知ってしまった」



どう、しようかしら……こんな重要なことを、私ひとりで決めてはいけない気がする。

深呼吸して、Nakamu様の目をまっすぐ見る。



「…少し、時間を下さい……私だけではあまりにも決めかねる事ですので…」

「分かりました。お返事、待っています」


ホールへと戻って行くNakamu様。私は今まで感じたことのない感情に浸っていた。

こんなに動揺したの、初めてよ。どんなに馬鹿にされたり厳しい事を言われたりしてもこんな風にはならなかった。


体が冷めてきたのでホールに戻ることにした。今私どんな顔してるんだろう…


ホールの端で、貰った飲みもしないワインを片手に壁に寄りかかっていた。




「あ、Nakamuとダンスした御令嬢」

「…リン・パッヘルベルと申します。ノエル・インデースさんと踊った方ですね」

「きんときって言います。よろしく」


あまり堅苦しいイメージはなく砕けている。今の私にはとても易しい人だった。


「あの、ひとつお聞きしたいことがあるんです」

どうしても聞きたいことがあった。きんとき様なら、Nakamu様と長い時間を過ごしてきたはず。


「…Nakamu様とは、どういったお方なんでしょうか」


「…Nakamuは、凄いやつだよ」

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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年4月2日 10時

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