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式が終われば、あとは挨拶の場になる。知っている人も知らない人も挨拶に来る。

…これから、この国のことをもっと知らなければいけない。まだまだ子供の私には知らないことが多すぎる。


「リンさん…」

最後の1人の挨拶。忘れることの無い声に一瞬思考が停止する。


「…俺の事、覚えてますか?」


忘れる訳がない、忘れられるわけがないじゃないのよ。

「…当たり前ですよ、Nakamu様。お久しぶりですね」


眉を下げ、少しだけ力なく笑いかけてきた。…私も、ここではっきりさせないといけない。

覚悟を決めて、彼もここに来てくれたのよ。


「…大丈夫だったね……リンさんは、本当に強い。今回の事で…俺が守ってあげなくても大丈夫だと証明された気持ちだよ」

「…Nakamu様……
違います。私は強くなんかないんです…強くないけど、私の周りには私と共に闘ってくれる仲間がいました。1人じゃないことが、私の強みです」


目を見開いて驚いていたが、ふふっと笑い出すNakamu様。その顔は、少し曇りが晴れているように思えた。

私も、言わないとね。

「…Nakamu様。婚約の件についてですが…






申し訳ありません、お断りさせて頂きます」

「…うん、分かってたよ。今日、リンさんの顔見てからね」


「…私は公爵家の当主になりました。この国には私が必要です。それに…この国を、彼らと共に創っていきたいと思ってしまいました」

私の視線の先には、じゃれあっているように笑っている元、生徒会の彼らの姿。

Nakamu様の目にも彼らが映っている。


「…ん、やっぱり勝てなかったや……リンさん、これからも大変な事をたくさん乗り越えないといけなくなると思う。

それでも、挫けないで頑張ってね。君には頼れる仲間も待っている仲間もいる。さぁ、行っておいでよ」


Nakamu様に彼らの方へ体を向かせられて大きな手に背中を優しく押される。


「…ええ、ありがとうございます」

「いつかワイテルズ国に遊びにおいで。その時にまた会おうね」


優しい言葉を最後に、私たちは背中を向け歩き始める。


私は手を振っている彼らの元へ、歩き出した。





ここが、私達のスタートライン。

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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年4月2日 10時

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