☆ ページ34
「…ぅ……じょ…ょう……お嬢!!!」
「…っ!?……レ、レイヴィス…」
「仕事が大変なのは分かりますが、しっかりとお休みになられて下さい。こっちが心配で倒れますよ」
ビルグレイツ家の屋敷に来てから2日が経ち、国の方から沢山の書類が届く。
謝罪の手紙から、任命式の予定まで。
こうして考えると、本当にパッヘルベル家の当主になるんだと実感する。
「リンちゃん〜、はいマフィン」
「ハインツ……美味しそう、ありがたく貰うわね」
扉を開けて入ってきたハインツがマフィンを抱えて持ってきた。沢山作ったから配っているとのこと。
1口、かじって口に含めば溶けるようにマフィンが無くなる。
「…流石プロネ、ハインツ。とっても美味しい」
でしょ〜?とニコニコと笑顔を見せて嬉しそうなハインツ。呆れながらも笑ってしまっているレイヴィス。
この笑顔を、私はこれから守っていかなければならない。いい意味で、戒めになる。
3人で会話をしているとノックの音がなり、ひょこっと顔をのぞかせてくるぴくとさん。なんというか、茶目っ気のあるというか……
「リンちゃん、屋敷の建て直し終わったってさ」
「…!本当ですか!…」
「……前の屋敷と、同じ型だってね」
「…はい、頼んだんです。……自分への、戒めですよ」
そればっかじゃん、とぴくとさんが笑う。その笑いに、心が軽くなったりする。
「…では、ビルグレイツ公爵にご挨拶させて下さい」
「ん、こっちだよ」
ぴくとさんに案内されて、通されたのは間違いなくビルグレイツ公爵の部屋。ノックとともに名を名乗る。
直ぐに、入れとの言葉が聞こえてくる。
ドアノブを回して、ギギっと、軋むドアを開ける。ぴくとさんによく似た、優しい顔の公爵が中にいる。
「…ビルグレイツ公爵、お世話になりました」
「もう行くのか……今回の事、本当に残念だ。まさか、国王が手を引いていたとは…リン、済まない。私達がもっと早くに気付けていれば、こうならなかった未来があったかもしれない」
「…いいんです。これが、パッヘルベル家の宿命だったんです。…いずれ、こうなっていたでしょう」
「…強く育ったな。パッヘルベル家当主、これからも共に我々国を支えていこうぞ」
「…えぇ、公爵殿。これからも、よろしく頼みます」
☆☆☆☆☆☆☆☆✤
青い鳥さん始めました〜!
まだ使い方よく分からないけど…
彼岸桜で出て来ます!
詳しくは、٭❀*彼岸桜❀*
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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年4月2日 10時