【d!】ヒロインと悪役令嬢の対立…興味ないわ2【学パロ】

☆ ページ24

｢…頼る事は、間違いではないわ｣


それだけ言う。体を離し、涙を浮かべながらも、真っ直ぐな目をしているノエルに目を合わせる。


｢…こういう時だからこそ頼るのよ。

…信頼って、そういうことじゃないの？｣



私は…何言ってんのかしら…そんなこと私が言えたもんじゃないのに…

……私が負けたのよ。この子に、この子を守りたいと少なくとも思ってしまった。


この後、午後6時にインデース家に全員が戦闘準備をして集まるということになった。

話を聞きながら、私も昨日の作戦を頭の中で巡らせていた。





時間が過ぎるのはあっという間で、気がつけばお昼ご飯を食べていた。

｢…リン今日どうしたん？｣

｢…ぇ？何が？｣

｢なんか隠してへん？｣


ゾムは、人の変化をすぐに感じるから…

｢別に何でもないけど…？｣


バレないように、騙さないといけない。助けを求めたいと言う心を押さえつけて、いつも通りを装う。

｢…そうかなぁ……？｣




いつもよりも食べ物が喉を通らない。喉の奥に力が入り始める。

じんわりと視界が滲んでくる。泣くな、泣かないでよ…

そんな思いも虚しく、ポタッと膝に涙が落ちる。止まることなく、ポツリポツリと次から次へと。


｢っリン！？｣

｢…私……いつからこんな弱虫になったのかしら…｣


｢…無理して笑わんといてや……｣

私の涙を何度も拭ってくれるゾム。パーカーの袖が私の涙で汚れていく。


｢…ごめん、ありがとう……

何も聞かないで…今は、まだ…ここにいてよ……｣



絞り出した言葉はそんな言葉で…

何も言わずに、ゾムは泣き止むまでいてくれた。


ありがとう、本当に。





ゾムside


｢…私、先に帰るわね｣

帰る時間になった途端、急いで帰ろうとするリン。やっぱり、なんかおかしい。

でも、聞くなと言われたら俺ができることは無いに等しい。


｢…じゃあ、またねゾム｣

その笑顔は、なんだか儚くて……消えてしまいそうだった。

それを引き止めることも出来んかった。


生徒会室に一度集まり、最終確認を速攻で終わらせ、それぞれが家に帰り直ぐにインデース家に集まった。


緊張感は高まったまま、午後６時を迎えた。途端に家に推し入ってくる人。


ざっとみ、15人。それも大したことはなく、直ぐに殲滅した。手紙にあった半分の人数。


｢…舐めとるんちゃう？｣


シッマの呟きと同時に、ロボロの戸惑った声が聞こえる。



｢…は？…ちょ、ぇ……っ｣

……なにが、起きてん。

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