☆ ページ20
「…えぇ。あの子には…ノエルには自分に出来ない事が出来るようにならなきゃいけないと言う意思がありました。
……あなた達生徒会は、ノエルのその心を自分たちの…私欲のために潰していたんです」
「…あの子は弱いから、俺たちが守らなアカンって……ずーっと思ってた。それが間違いだったんや。…俺たちはノエルが好きや……ちゃうか。俺たちに守られてるノエルが、大好きなんやな…」
執着は人をダメにする。するなとは言わないが限度がある。
「…リンさんに、昨日言われて……やっと気付いてん。俺たちはノエルをダメにしてたって。
せやから、お礼が言いたかった。ほんま、ありがとうなぁ…っ」
とうとう溢れた涙は頬を伝って机に落ちる。濁っていたものが涙になり、宝石のように美しい深緑の瞳が姿を現した。
私のような、汚い手ではあなたの涙を拭えない。
「…どういたしまして……あなた達は、本当はとても素敵な瞳を持っているんですね…」
ゴシゴシと目元を擦っているオスマン様はえ?と惚けたような声を出してした。
「そんなに擦ったら腫れてしまいますよ?」
「…もう別に良いめう」
「……めう………?」
語尾に疑問に抱いたと同時にニコニコとしたエーミールさんが紅茶を持って入ってきた。
紅茶の横にはケーキ。…ここって、図書館よね?オスマン様はさっきのブルーな感じは全く感じられないくらいに喜んでいた。
「…オスマンさん、ちゃんと謝れたんですね」
「…なんでエミさん知っとるん…?……絶対扉のとこでガン待ちして聞いとったやろ」
「そっそんな事ないですよ!?」
「はあ〜よく言うわイーモールさん」
「誰がイーモールじゃ」
突然始まった謎の会話に、ありがたくケーキを頂こうと刺したフォークがケーキに刺したまま止まってしまった。
「…生徒会の方々って、プライベートになるとユニークな方が多いのですね」
「エミさんはよう滑るけどね、ね、スーベール」
「オスマンさんホンマしばきますよ?」
初めて見るこんなに緩い生徒会員同士の会話が、なんだかとても面白く感じられた。
お昼休みが終わるまで、この小さなお茶会を楽しんだ。
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クロスてゃん - ありがとうございますぅぅぅ!アルネの事件簿と気づいてガチ泣きしました…本当に嬉しいです更新頑張ってくださいね! (2021年11月23日 23時) (レス) id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
??? - この小説なんなん? まじ泣きしてしまうわ (2021年10月3日 20時) (レス) @page27 id: 2651f7c57d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - この使用人たちの名前。主人公の名前。家が大火事。………おっとぉ??? (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - もし違ったら失礼なのですが。この小説の使用人たちの名前って、某超絶イケメンの最凶の吸血鬼エビリィ!ブラッティ!ノインテーター!!のお方とあの触覚が愛らしい吸血鬼マニアちゃんとその他いっぱいの人気推理ゲームじゃないすかぁ!何ですかこれ、素敵です!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - そうだ、名前変換で気付かなかったんだ。この主役、"リン"ちゃんだ。 (2020年8月2日 18時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年4月2日 10時