☆ ページ27
｢ひやぁあっ！｣
｢うおおっ！？｣
いい反応をしてくれる一年生たち。私の姿を認識して呆気にとられたような顔をするチーノと、あわあわしているノエル･インデース。
あ、この子達意外と面白いわね。
｢…リン･パッヘルベル……様｣
｢君は初めましてね、チーノ･メンツーユ君｣
ノエル･インデースに、視線を戻せばうぐぐ、ど唸っていた。うぐぐて…
｢リン様、どうしてここに…？｣
心底不思議といった顔で私に言ったノエル･インデース。
｢たまたま通ったら、貴方の困った言葉が聞こえてきたから来てみたのよ｣
クスッと笑う私を警戒している様にチーノ･メンツーユ君の顔が強ばる。何もしないわよ。
｢肩に力入れすぎ。まず、針の持ち方が変なのよ。そんなに力入れなくたって手から落ちたりしないわ。
ボタンつける場所にあてて、そう｣
指示すれば不器用ながらにその通りにする。
｢…で、出来たぁっ！！チーノ君出来たよ！｣
ゆっくりとだが、ボタンをひとつつけることが出来た。
｢リン様ありがとうございます！！｣
｢少し教えただけよ｣
そう言ってその場を離れた。
｢…いつから見てたの？ゾム｣
｢最初から。てか、なんでお昼来なかったん？そんで、…何のつもりなん？｣
｢ロボロさんに誘われたのよ。行けなかった事は謝るわ。…以前の私なら、面倒事に関わることは無かったと思う。でも、愛憎劇に付き合うのも悪くは無いかなって｣
なんて、自分勝手な考え。私がしようとしてる事はあまりいい事とは言えたもんじゃないけど…
｢…刺激があっても良いじゃない？｣
ククク、と笑いをこらえ始めるゾム。そんなにおかしな事なのかしら。
｢あー…おもろいなぁ、リンは。
乗った。俺も、愛憎劇とやらに付き合ってやるぜ｣
正しい選択だったのかは分からない。
これでもし、間違いだったとしても後悔はしない。してはいけない。
自分で選んだ道よ。
｢…ヒロインと悪役は居るんやなぁ…リンはなんの役なん？｣
｢悪いけど、ヒロインにも悪役にも興味はないの。それに、気づかない？
この舞台…脇役は揃ってるの。だけど一番重要な人が居ないのよ…｣
そういう事か、とゾムが一層楽しそうに、愉快そうに口をゆがめる。
｢この舞台で、私は“主役”よ｣
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こんにちは - 騙されましたほんとにめっちゃびっくりしました (2023年1月9日 0時) (
レス) @page47 id: 01cd7b0a2a (このIDを非表示/違反報告)
Nikotya* - 最後のやつ見事に騙されました(・ω・｀) (2021年8月11日 10時) (レス) id: 19e8c2f272 (このIDを非表示/違反報告)
とぅめぃとぅ - クリーパーとメルヘットとメンツーユはダメですってwwww (2021年5月30日 22時) (レス) id: fb32157b21 (このIDを非表示/違反報告)
木材(もくざい)(プロフ) - 文章の書き方がとても美しいです...感情ののせかたがとても上手で初めのこねしまさんに髪を捕まれるところで夢主に感情移入してしまって思わず涙が出てきました。とても尊敬します...。 (2020年7月12日 17時) (レス) id: cfd7089d94 (このIDを非表示/違反報告)
maron(プロフ) - zmさんとsypさんとciさんの名前で笑いすぎて鼻水吹いちゃいました()どうしてくれるんですか() (2020年6月18日 16時) (レス) id: 18f49ca017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸桜＋α
| 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年3月28日 10時
