ブルーオーシャンフィズ『江戸川乱歩』※尚さんリクエスト ページ45
とある依頼の帰り道。私は探偵社の誇りである名探偵を引き連れ、帰路についていた。
「はぁーっ、流石は乱歩さん!今回もズバッとビビッと解決しましたね!」
「当たり前でしょ?僕にかかれば朝飯前だよ」
さも当たり前の様に告げる名探偵。彼の肩に触れようと手を伸ばす。異能で瞬間移動し帰ろうとしていた。だが、名探偵様は私の手を避けて前を歩く。
「あ、あり?駄菓子でも買っていくんですか?」
「いや?Aさ、お酒好きだったよね?」
「はぁ……まぁ……」
否定は出来ない。
何せ、私は家に数十種のベース、その倍の副材料、シェイカー、全種類のグラスを二個ずつ、と店並みの品揃えを自分の為にしているのだから。
私の返事を聞いた乱歩さんは、片足だけをこちらに向け、半身だけ振り向いて笑う。
「君と呑もうと思った。こうでもしないと、君、直ぐに家に帰るでしょ?」
「はい、直帰しますね。もう仕事これだけ何で」
「だろうね。そんな君に二択の選択肢をあげるよ」
名探偵は握り拳を作って私に突き出す。首を傾げる私。突き出された拳から、指が一つ立てられた。
「一つ、僕と店に行く」
「はぁ」
イマイチ状況を理解していない。曖昧な相槌を打つ私に向け、もう一つ指を立ててみせる名探偵。
「二つ、僕を君の家に入れる」
「あ、来ます?良いですよ」
コスパ的に其方のが有難い。正直、乱歩さんが女に手を出す所とか想像出来ないから、安心して招く事が出来る。てか、この人酒飲むんだ。
そんな馬鹿げた事を考える私に歩み寄る乱歩さん。目の前に来てから、バシバシと背中を叩かれた。
「あっははは!そうだろうと思った!君、僕を無害認定してるだろ?」
「はい」
「予想はしてたけど、こうもハッキリ言われると……男として少しばかり考えちゃうなぁ」
意味深な言葉を残した後、「ま、いっか!そうと決まれば直ぐにでも帰るよ!」なんて手を繋がれた。軽く了承の返事をして、瞬間移動で事務所に帰る。
「ただいまー」
「おかえり、乱歩さん」
「相も変わらず、Aと組ませると数分で帰ってきますね」
与謝野先生と国木田君にお出迎えをされた。乱歩さんは其れでも繋いだ手を離さない。其の儘、乱歩さんは外に出てしまう。……え、退勤してなくない?
「乱歩さん!退勤!退勤してない!」
「え?そんなの国木田にやらせなよ」
「ダメですって!」
一旦、事務所に帰らせて貰えるのに、十数分かかりました。
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いちご(プロフ) - ミラから来たぞおおおぉ! に、しても評価凄いですね!Σ(゚ロ゚;) (2020年6月21日 14時) (レス) id: 3cbabf2902 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - 道化さん» 全然OKです。後見させてもらいました、兎に角好き(語彙力Maxです。 (2019年8月4日 17時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - 書かせて頂きました!お仕事疲れとの事なので、ちょっと絡めたお話を。ゴーゴリ「頑張った子には、ご褒美がいるよね!私は分かっているのさ!」 (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - モフ子さん» 了解しました!リクエスト内容は、シリーズ最新作の「恋は下心」の方に投稿させて頂きますが、大丈夫でしょうか? (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - リクエストしても宜しいでしょうか?天人五衰のゴーゴリ君っていいですか?シチュエーションは何でも構わないのでお願いします!仕事帰りに癒されたい!どうか私の我儘を聞いて下され (2019年8月2日 11時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jazz | 作成日時:2019年4月26日 19時