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身支度を整え終わった俺達は、早朝に掃除を済ませ、卓を挟んで話をしていた。
「別に私は如何とか思ってない。男女なら有り得ることでしょ」
「だが、俺にはあってはならない。俺は俺の理想の為に、お前と籍を入れる」
「だから!其れ重いって!好きでも無い女と結婚とか、あんた阿呆なの!?」
溜息が部屋に谺響する。呆れともつかぬ様な表情だが、俺は至極真面目、誠心誠意を持って話に応じている。少しばかり怒りが募る。
「ほう?俺がお前を好きではないと」
「だって、そうじゃないの?」
「……俺の理想とは確かに全然違うな」
見れば見る程、目の前の奴は俺の理想とは正反対だ。強いて合っていると言うなら、家事全般が出来ることくらいか。
気が強く、男の様な強さを持った所謂「肝っ玉母さん」の様な人物だ。
「ほれみろ」
「だが、打開策はコレしかない」
溜息。数秒の沈黙の後、Aが口を開いた。
「……あのさ、国木田が無かったことにしたいんなら、私も協力するけど?」
−−−−−
別々に出勤し、奴は俺より遅れて来る事になった。探偵社事務所の扉に手をかける。
「やぁ国木田君!昨日はお楽しみだったみたいだねぇ!」
突如、後ろから聞こえた声に肩を震わせ振り向く。そこには満面の笑みを浮かべた太宰が居た。
「だ、太宰!貴様!そ、そ、そんな事は!!」
「あれ?無かったのかい?其れとも……言えない位に良い夜だったのかなー?」
揶揄う様な太宰の声に、段々と怒りが募ってくる。後もう少しで手が出ると思ったその時。
「お早うございまーす」
俺の悩みの種が出勤してきた。太宰は俺から離れ、より詳細に話が聞けそうだと其方に走り寄る。
俺は仕事に手をつけながらも、奴らの話に耳を傾ける。
「ねーねー、昨夜は如何だったんだい?」
「如何って?」
「わかってるクセにー!国木田君を家に送り届けてからだよ!」
太宰の至極楽しそうな声を突っ撥ねるかの如く、Aは平然としていた。
「何も無かった。強いて言えば、私が疲れ果てて国木田の寝台に倒れ込む様に寝ちゃった位だよ」
本当に約束は守った様だ。太宰はその後も執拗く問い続けたが、「何?太宰は私と国木田をそんな関係にしたいの?」と言ったAの一言で、悔しげに帰って行った。
昼休憩。
「A。話がある」
俺は奴を昼餉に誘う。うずまきでは他の社員もいる為、態と少し遠めの喫茶店に入る。店員に人数を告げ、席に通された。
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いちご(プロフ) - ミラから来たぞおおおぉ! に、しても評価凄いですね!Σ(゚ロ゚;) (2020年6月21日 14時) (レス) id: 3cbabf2902 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - 道化さん» 全然OKです。後見させてもらいました、兎に角好き(語彙力Maxです。 (2019年8月4日 17時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - 書かせて頂きました!お仕事疲れとの事なので、ちょっと絡めたお話を。ゴーゴリ「頑張った子には、ご褒美がいるよね!私は分かっているのさ!」 (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - モフ子さん» 了解しました!リクエスト内容は、シリーズ最新作の「恋は下心」の方に投稿させて頂きますが、大丈夫でしょうか? (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - リクエストしても宜しいでしょうか?天人五衰のゴーゴリ君っていいですか?シチュエーションは何でも構わないのでお願いします!仕事帰りに癒されたい!どうか私の我儘を聞いて下され (2019年8月2日 11時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:jazz | 作成日時:2019年4月26日 19時