独白【散文】 (ページ6)

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劣等感ページ6

夜は好きだけど、一人の夜は苦手になった。

でも、人と居るのも辛い。
劣等感に押し潰されそうになる。

あの人はここが凄い。
この人はここが凄い。

そればかりが目に見えて、最後の最後。

嗚呼、やはり自分には何も無い。

どれだけ笑って誤魔化せど
どれだけ話を合わせても

虚しさ、悲しさ、辛さ、苦しさ

胸を満たすのはそればかりだ。

才能が欲しかった。

名誉も、地位も、富も、権力も。

何でも欲しかった。成功してみたかった。

自分を誇れる人間になってみたかった。

なれなかった。所詮私は出来損ないだ。

罵ってくれればいくらか楽だ。

慰めの言葉なんて要らない。
励ましの言葉なんていらない。

そんなものの裏なんてわかってしまう。

その場しのぎだろ？
面倒なんだろ？
ごめんな、こんな奴で。

疑念が膨らむと

励ましも、褒め言葉も、慰めも

全て世辞に聞こえてしまう。

本当はそんなこと思ってないだろ？
知ってるよ、そんな事。

泣きたかった。

泣けなかった。

笑うしかない。

隠せ。

隠せ。

隠せ。

吐き気を催す程の不快感も
恐怖に変わる程の疑念も
自身を殺してしまいそうな劣等感も

隠さなければならない。

誰にも言わなければいい。

黙っていればいい。

全てが苦しく

全てが恐ろしく

全てが愚かしく思えた。

消えてしまいたかった。

…………そんなこと言えない。
言えたら苦労はしない。

才能なんてなかった。

周りには成功者しか居ないのに

私はいつまでもド底辺だ。

笑ってくれ。

笑ってもらわなきゃやってられない。

欲を張った理想には追いつけそうもない。

当たり前だ。

普通の周りにも追い付けていないのに。

人が怖い。

けれど、独りにもなりたくない。

矛盾。嫌いだ。

いっその事、誰かが攫って殺してくれればいいのに。

あ、攫われる程に美人でも無いや。

埋まらない、自己承認欲求。

認めて欲しかった。
認めた言葉は手に入った。
信じられなかった。

もっと欲しかった。
もっと貰った。
足りなかった。信じられなかった。

「どうせお世辞だろ？無い長所を褒めさせてごめんな。面倒臭いよな、ごめんな」

心の中はいつもそれ。

自分を信じられない。
私には才能がない。
凡人以下、いや、未満かもしれない。

劣等感は何度でもやってくる。

黒々とした感情で吐きそうになる。

でも、周りには心配かけちゃいけません。

劣等感も自己否定もひた隠す。

さぁ。今日も頑張って、笑って生きましょう。