女子校教師 (ページ8)

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「え、残れないの？」

 「ごめんね～、バイトなの」 

放課後になって、一緒に残ってくれると思っていたサラはバイトがあるらしく、最後の授業がおわると颯爽と荷物を鞄に纏めて肩にかける。

 「ジャンハオ先生の補習がんばってね」 

ニヤニヤ笑いながら下手なウィンクを見せるサラは、手を振りながら楽しそうに教室から出ていくと、他の子たちも次々と帰っていき教室に一人残されるあたし。

  元カレはともかく、会ったばかりの男の人と二人きりになるのは正直苦手だ。少し不安になりながら机に伏せると、少し肌寒い教室で目を閉じる。   

『まーた寝てる』   

そんな声とともに近付いてくる足音に体をバッと起こすと、眼鏡をかけたジャンハオ先生が教室に入ってきていた。

 「…寝てない、です」 

『寝てた』 

「意識はありました」

 『でも横になってた』 

「……いや、」 

ジャンハオ先生は、あたしの目の前の席、サラの席のイスを引いて座る。  

「……近くないですか…」 

『何が？普通じゃない？』 

「近いですって。目の前じゃなくて、その、教壇でいいじゃないですか」

 『お前一人しかいないのに、わざわざ黒板使ってまで補習しねえよ』 

胸ポケットからペンを取り出して、自分の教材を開くジャンハオ先生。 

『……なにぼーっとしてんの。早く教科書だして』 

「あ、はい」