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帰り道、雨は止んでいた。


龍友は隣を歩くAを見つめる。

その横顔が綺麗で、目が離せなくなる。








「どうかしましたか?」

「あ、いえ。すみません」





困ったように笑ったA。

とても綺麗で、少し儚い。


なんだか、今にも消えてしまいそうな危うさがある。









「この間は、本当にありがとうございました」


「いえ。少しでも雨を好きになってもらえたら、私も嬉しいので」


「お陰様で、苦手意識はなくなりました」









お礼をし終わったら、もうこれっきりなのかな。

もう会うことはなくなってしまうのかな。







それは、どうしても嫌だ。









「あの、」


「はい」






「また、こうして2人で出かけたいです」







切実な願い。

震える唇からそっと発した。









Aは少し目を見開いた。


でも、すぐに笑顔になる。









「私も、また龍友さんとお話ししたいです」







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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2018年6月29日 21時

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