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「ん〜!!着いたー!!」
キャリーケースを片手に長時間で固まった体を柔らかくするために伸びをする。
久しぶりのパリ。国内合宿を終えて今回の舞台に私たちは降り立った。外はカラカラの晴天。機内が寒かったからちょうどいいかも。
真「飛行機ってやっぱ疲れるなぁ…」
「もう乗りなれたんじゃないの〜?」
真「まだ慣れてなかったっぽい笑。体バキバキだよ〜早くホテル行きた〜い…」
少し首を支えて辛そうな顔で私の目の前を歩く真佑。
周りを見るとみんな同じような感じで、連日の練習と疲れが溜まった表情で広がっている。
そんな中でただ1人は大きい瞳をキラキラさせながら辺りをキョロキョロしていた。
二「すごぉい…!全然景色が違いますよ!Aさん!!」
「二千華は元気だね…疲れてないの?」
二「もう全然です!!むしろ楽しみすぎて飛行機の中でワクワクしてました!」
「二千華は子供で可愛いね笑。テンション爆上がりって感じ?」
二「えへへ、実はずっと前から楽しみにしてたので…」
嬉しそうな表情を浮かべて大きな窓から見える街並みに感動してる。
私が初めてパリに来た時のリアクションと全く同じ。
純粋な笑顔が心に刺さる。
これから何度も見ると思う景色だけど、引退したら滅多に見れなくなる。特別だと思って噛み締めないと。
「…ねえ二千華。もっとテンション上げるためになんかお揃いで買わない??」
二「い、いいんですか!!ぜひぜひ!!」
「よーし!じゃあ売店行ってみよ!」
二千華の手を引いて空港の中でも大きな売店へ。
いろんなものがあるけど、私たちの目を引いたのは変わった形のサングラス。
日本じゃ絶対に見かけないフォルムが何とも言えないけど良い。
二「これめちゃ可愛いです!!絶対Aさんも似合いますよ!!」
「そうかな〜??でも二千華が言うなら間違いないか!なら買っちゃおう!」
二「やったぁ…!!嬉しいですありがとうございます!」
「いえいえ!なら買ってきちゃうね!」
二「い、いいんですか…!?」
「もちろん!先輩としてここは奢らせて?」
ぺこぺこと頭を下げる二千華の可愛さに微笑みながらレジに向かう。
2つ分のサングラスを店員さんの目の前に置いて会計しようとすると…後ろから異様な圧を感じる。
なーんか嫌な予感…振り向くとその予感は的中して、
祐「俺もお揃いにしたいな??」
「げ…祐希」

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作者名:にゃなみ | 作成日時:2024年10月18日 0時