第14話 ページ16
「なぁ、なんか隠してないか?」
その日の帰り道、アカデミーの校門前で待っていたシカダイに唐突に尋ねられた。
何かと察しのいいシカダイだが、まさかそんなことに尋ねられるとは思っていなかったため目が点になった。
「は?」
「今日様子がおかしかったろ」
「…………そう?」
「言いたかねーなら聞かねーけど。めんどくせーし。まぁ、なんかあったら言えよ」
「うん……」
言い方は悪いけど、ちゃんと私のことを心配してくれてることが分かる。
いつも思うが、口悪いけどその分優しくていい子だ。
シカダイと仲良くなって数年経つが、シカダイとは本当に気が合うらしく、お互いが今日食べたいものがわかったり、食べたいものが一緒だったり、考えてることがよくわかる。
いくら長く一緒にいてもわからないことが多いのに、シカダイのことは本当によくわかる。
気が合うというレベルと言っていいのだろうかと二人で笑い合うくらいには。
「お腹空いた」
「肉巻きおにぎり……か?」
「せーかい。言うてアンタも一緒でしょ」
「ちげーねぇ」
お互いに笑い合いながら答えた。
今日はお互い食べたいものが一緒だった。
ここ数年で肉巻きおにぎりの専門店が屋台として、アカデミー近くに出来たのだが、それがまた美味しくて、つい常連になってしまった。
おかげで店主からは、またお前らかと言われてしまう程に。
気に入ってるからいいでしょと言ったことを思い出しながら、その店へと向かう。
近づくにつれてこおばしい肉の香りが漂ってきて、お腹が鳴る。
クロウの本を見つけて封印を解いてから異常にお腹が減ってしまい、さっきからお腹が鳴ってばかりだ。
「おっ、新作がある」
「あらほんと」
のぼりに大きな字で新作発売!と書かれてあり、新作を求め少しいつもより客が多い。
少しばかり並ぶようだが、シカダイとだから別に苦ではない。
列の後ろに並ぼうとしたその時だった。いきなり風が吹き荒れたのは。
「A! 掴まれ!!」
シカダイが電柱の近くにいたため、シカダイが電柱にしがみつき私を引き寄せ、私と自身の体を電柱に押し付け風を凌ぐ。
偉く強い風で、砂埃があがり看板などが吹き飛んだ。
「なんだ、アレ!!」
男の人の声が聞こえた。それはまるで、何かに脅えてるよう。
シカダイの腕の中からチラッと空を見てみると、尾獣並みの大きな鳥が翼で風を起こし暴れていた。
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清水ファンタジア(プロフ) - CCさん» 応援ありがとうございます。亀更新ではありますが頑張らせていただきます! (2021年7月8日 0時) (レス) id: a394ff5f98 (このIDを非表示/違反報告)
CC(プロフ) - 更新待ってました! ありがとうございます!!続きも楽しみにしています!頑張ってください! (2021年7月8日 0時) (レス) id: 8f9bdc23ee (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - 三色弁当さん» BORUTOもそうですが、好きな話を沢山書いて練習していくといいと思います。人に見せてこそのものなので、BORUTOも頑張ってください (2020年12月18日 19時) (レス) id: a394ff5f98 (このIDを非表示/違反報告)
三色弁当 - 清水ファンタジアさん» 勇気の言葉ありがとうございます泣 NARUTOは軽くですが知ってるのですが次の世代のBORUTOを書いてるんですがそれをコツコツ書けばたくさんの方に呼んで貰えますかね、、? (2020年12月18日 16時) (レス) id: 02492f2e0b (このIDを非表示/違反報告)
清水ファンタジア(プロフ) - 三色弁当さん» 私も最初は全然上手くなかったんですけど、コツコツ書いていけば、ちゃん読んでくれる人が現れるので大丈夫ですよ! 最初はなかなか苦戦するかもしれないですが…… (2020年12月18日 16時) (レス) id: a394ff5f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清水ファンタジア | 作成日時:2020年10月6日 13時