検索窓
今日:703 hit、昨日:881 hit、合計:738,737 hit

さん ページ3

その日の夜。


一人でチャンネルを無意味に連打していると、後ろから声がかかった。

声の主はテーブルの上のビニール袋を指さしている。



「これ、治がお前にってお菓子置いてったけど」


「え?どなた?」


「今日来てたやつ」



そう言われて銀髪の後頭部を思い出す。


うちに着く前に私がいることを知って、近くのコンビニで手土産を買ってきてくれたらしい。優しい。

……そしてちょっぴり罪悪感。私は滅茶苦茶避けていたのに。



「またどうせ明日も来るだろうしお礼言っとけよ」


「うん、ありがとう」


「俺にじゃねーよ」



兄はそう言ったが、袋の中に入っていたのはなめらかプリンとチョコと水。私の非常食ばかりだ。


絶対私の好みを教えたに違いない。チューペットの借りはなかったことにしておこう。



***



同じ剣道部の友達が詰め寄ってきたのは、ホームルームが終わったあとのこと。



「Aちゃんのお兄ちゃんバレー部なんでしょ〜!?」


「顔が近い」


「一緒に見に行こ〜〜や〜〜!」


「全然いいんだけど距離感おかしい」



稲荷崎高校のバレー部は強い(らしい)。

それだけでなく、イケメン揃いと言われているためファンが多い。例に漏れず友達もそうだ。


ちなみに私はブラコンだと思われたくないので行ったことはない。いやイケメンは気になるけど!さぁ!



「宮先輩かっこいいんよ〜〜〜」


「わかる」


「いやAちゃん知らないやろ!?適当に返事したな!?強制連行や!!!」



私はリュックを引っ張られ、引き摺られるようにして後ろ向きで歩き始めた。


せっかくのオフなのになんてザマだ。

よん→←に



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2054 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4495人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー!! , 稲荷崎 , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:- | 作成日時:2020年5月19日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。