4.アツムくん(金色) ページ4
***
「Aちゃんどっから来てん?」
「あ、愛知……」
「愛知って何処やっけ?車とかのとこ?」
「うん。車とか、あとは味噌とか手羽先とか……?」
取り敢えず荷解きしてきたら?と母に言われて、じゃあ部屋案内したるな!と双子に言われて、デカい男二人もいらんやろ!と淳さんに突っ込まれて、今に至る。
じゃんけんを制したのは金色の髪の方。
しかし彼らが弟であることの方に衝撃を受けてしまい自己紹介を忘れた。名前がわからない。
彼は、名前もわかってない上に緊張してガッチガチになっている私の荷解きを手伝ってくれている。
そしてメッチャ話しかけてくれる。コミュ力半端ねえ。
「そんな緊張せんでええよ?
俺Aちゃんの弟になるんやし」
「弟つっても一個しか変わらないじゃん」
何故かドヤ顔で弟宣言するのが面白くて笑ってしまった。
私の顔を一瞬ぽかんと見て、彼も笑った。
「笑った顔カワイイなぁ」
「……え、Aちゃんがそれ言うん!?
そのセリフは今俺が言わんとあかんかったやつやん!?
大人しそうな顔してタラシやわ〜」
「たっタラシ!?」
貴方の方がよっぽど女の子取っかえ引っ変えしてそうですけど。とは言わないでおく。
ふと視線を移すと、部活帰りの彼のジャージに『宮侑』とフルネームで刺繍がしてあった。
「……あ。侑くん?」
「?うん、侑やで」
そうか。金髪の方が侑くんか。
じゃああの銀髪の方がオサムくんね。よし覚えた。
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作者名:- | 作成日時:2020年3月13日 22時